HQHVSNの手順 ②受付

Alley Cat Alliesが作成している、猫のHQHVSN(high-quality, high-volume spay/neuter:高品質かつ大量の避妊去勢手術)の効率的手順についてのポスター“Spay and Neuter Express Poster”(https://www.alleycat.org/resources/spay-and-neuter-express-poster/)に従って、HQHVSNの旅に出かけてみることにしましょう。

 

1. Check-in/Registration(受付および登録)

Use a tag system to track each cat as they move down the line and get them back to their destination: the same trap they came in. Assign each cat a number and note it on two tagsone for the trap (attach with a rubber band), and one for the cat.

タグシステムを使って、列を移動する各猫を追跡し、目的地である入ってきたのと同じ捕獲器に戻してあげましょう。それぞれの猫に番号をつけ、捕獲器用の札(輪ゴムでつける)と猫用の札の2枚に記します。

 

【のらぬこの解説】

HQHVSNの旅はまず、受付から始まります。TNRのために捕獲された猫は捕獲器に入ったまま、世話人によってスペイクリニックに搬入されます。そして手術が終わったら、猫を同じ捕獲器に戻して世話人に引き渡します。つまり捕獲器と猫をセットで管理する必要があります。特に大量の手術を一斉に行うHQHVSNの場合、ここをきっちりと管理しておかないと、情報が交錯して混乱が生じます。これは「スペイクリニックあるある」なのですが、本当はあってはならないことです。

捕獲器と猫を管理するには、通常“tag system”を用います。こう書くと仰々しく感じますが、要するにそれぞれに札を付けて同じ受付番号を付けておくということです。こうすればそれぞれが迷子になることはありません。番号を付けるには、文字通り札を付ける方法もありますし、布テープの切れ端に番号を記してそれぞれに貼るというやり方もあります。ただし番号のみを記した場合、詳細な情報や指示事項を記載するための情報シートが別途必要です。その場合、情報シートが猫と一緒に旅をすることになります。猫に番号札を付けずに、情報シートのみを猫と一緒に動かしている現場をよく見かけますが、情報シートが猫とはぐれてしまうことがあるので、あまりおすすめしません。

捕獲器には番号だけを記して、猫には大き目の札を付け、そこに情報を書き込んでいくという方法もあります。何かと混乱しやすいHQHVSNの現場では、この方が確実かもしれません。その場合は手術のじゃまにならないよう、付ける場所に工夫が必要です。

2枚の札に同一の受付番号を記入したら、1枚は捕獲器につけておきます。この時点で猫は捕獲器の中で動いていますから、猫の札は麻酔をかけて捕獲器から出す際に取り付けます。