HQHVSNの手順 ⑦術後処置

Alley Cat Alliesが作成している、猫のHQHVSN(high-quality, high-volume spay/neuter:高品質かつ大量の避妊去勢手術)の効率的手順についてのポスター“Spay and Neuter Express Poster”(https://www.alleycat.org/resources/spay-and-neuter-express-poster/)に従って、HQHVSNの手順を見ています。

 

7. Post-Op/Vaccine(術後処置およびワクチン)

Remove female cats from spay boards, remove the eartipping hemostat, and apply styptic powder if necessary. Administer rabies vaccine. Also administer other vaccines, like the FVRCP vaccine, if caregivers agreed ahead of time.

メス猫をスペイボードから取り出し、耳の止血鉗子を取り外し、必要に応じて止血剤を塗布します。狂犬病ワクチンを接種します。また、事前に世話人が同意していれば、FVRCPワクチンなど他のワクチンも接種します。

 

【のらぬこの解説】

止血剤の塗布

耳カットのためにつけていた鉗子を外し、切り口に止血剤を塗布します。動物病院では「クイックストップ」という黄色の粉末がおなじみだと思います。

 

狂犬病ワクチン

米国は狂犬病発生国のため、狂犬病ワクチンの接種は猫においても必須とされています。特に米国ではTNRの際に狂犬病ワクチン未接種の猫をリターンすることは、公衆衛生の観点から容認されません。日本は狂犬病清浄国のため、猫への接種は必須とされていません。

 

その他のワクチン

「FVRCPワクチン」はいわゆる「猫用三種混合ワクチン」で、汎白血球減少症ウイルス、ヘルペスウイルス、およびカリシウイルスのワクチンです。汎白血球減少症は「猫パルボウイルス感染症」ともいい、死亡率が高い感染症です(犬のパルボウイルスの親戚ですが、違うウイルスです)。ヘルペスウイルスやカリシウイルスはいわゆる「猫かぜ」の原因ウイルスです。十分な効果を得るには2回の接種が必要ですが、1回の接種でも一定の効果があることがわかっています。TNRの際には少なくともFVRCPワクチンを接種しておくことが望ましいといえますが、誰がその費用を負担するかという問題があります。

 

マイクロチップ

野良猫にマイクロチップを装着すべきか否かには議論がありますが、もしマイクロチップを装着するのであれば、麻酔が効いている間が楽です。

 

医療記録

猫に施した処置については札(または記録シート)に記録します。