発泡スチロール容器を用いた地域の猫のねぐら その3

ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“4 Tips for Sheltering Community Cats in Winter”(冬に地域の猫を保護するための4つのヒント)https://www.aspcapro.org/resource/4-tips-sheltering-community-cats-winterから見から、発泡スチロール製容器を用いた冬用の地域の猫のねぐらについて見ています。

 

※注意!

ここでいう「地域の猫」とはTNRやRTFなどにより避妊去勢手術済みで、一代限りの命として地域の野外で暮らしている猫をいいます。避妊去勢手術を施さず、野良猫に餌やりだけを行う行為は不幸な猫を増やしてしまうため厳禁です。

 

4) RISE ABOVE(上に上げる)

Raising the shelter off the cold ground makes it easier for cats to warm the inside with their body heat. To keep it even warmer, you can place straw underneath. Raising the shelter and cutting the doorway several inches above the bottom also keeps the weather out—rain won’t splash up and in from the ground, and snow is less likely to block the door.

ねぐらを冷たい地面から離すことで、猫が体温で中を暖めやすくなります。さらに保温性を高めるために、下に藁を敷いておくとよいでしょう。ねぐらを上げて出入り口を底から数インチ上で切ることで、天候の影響を防ぐこともできます。雨が地面から跳ね上がったり入ったりすることはなく、雪がドアをふさぐ可能性は低くなります。

 

【のらぬこの解説】

ねぐらを地面に直接置くと地面の冷たさが伝わってくるため、レンガなどを用いてねぐらを地面から離しておくとよいでしょう。さらに敷物を入れておくと、温かさがアップします。Neighborhood Cats(https://www.neighborhoodcats.org/how-to-tnr/colony-care/feral-cat-winter-shelter)によると、ねぐらの中の敷物は猫が「掘る」ことができるものが望ましく、具体的には藁が最適です。藁は繊維の間に空気がたまるので保温効果が高いですし、湿気を吸うだけではなく周りが乾燥すれば湿気を放出するため、湿度管理の点においても適しています。藁がない場合は、細かく切った新聞紙でも代用できます。逆に毛布やタオル、新聞紙などを平らに敷くことは、猫の体温を奪うおそれがあるので好ましくないそうです。

前回も述べたとおり、出入り口の穴をあける際には底よりも少し高い位置にすることで、雨や雪の影響を弱くすることができます。雪が積もる場所では、ねぐらの周りに融雪剤を撒かないよう注意する必要があります。