スペイクリニックの立地 その2

ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)を元に、スペイクリニックの立地について考えています。

 

Safety(安全性)

スペイクリニックの立地条件として「ガイド」があげている2つ目の条件は「安全性」です。

 

Safety—clinic should be in safe area for the public and your employees. You will have cash and controlled substances in the building.

安全性—クリニックは一般市民と従業員にとって安全な場所にある必要があります。 建物内には現金と規制薬物があります。

 

要するに、スペイクリニックには犯罪者に狙われるような「現金」や「規制薬物」があるので、強盗事件が頻発するような治安の悪い場所は不向きということです。来院者や従業員が襲われてもいけませんし、「現金」はともかく「規制薬物」(麻酔薬の中には覚せい剤に該当するものもあります)を奪われると、犯罪に用いられてしまうおそれがあります。米国の大都市ならいざ知らず、日本にそこまで治安の悪い場所があるかどうかはわかりませんが…。

 

Transport(幹線道路へのアクセス)

スペイクリニックに来る動物の多くが、飼い主やボランティアなどによって自動車で運ばれます。また自治体やアニマルシェルターの事業の一環として、手術対象の動物が自動車で運ばれてくることもあります。場合によっては、かなり遠くから運ばれてくることもあります。そのため、幹線道路や高速道路のインターチェンジなどからのアクセスは重要です。「ガイド」にもこう書かれています。

 

Transport—can your transport vehicle access highways and major roads?

輸送—輸送車両は高速道路や幹線道路にアクセスできますか?

 

Noise(騒音)

「ガイド」では犬の鳴き声について触れられています。

 

Noise—will noise from the dogs be a nuisance to any connecting neighbors?

騒音-犬の鳴き声が近隣住民の迷惑になりませんか?

 

猫だけを扱うスペイクリニックであれば騒音はあまり気になりませんが、犬を扱うのであれば騒音はどうしても気になります。犬を扱うのであれば、閑静な住宅地は避けたほうがよいかもしれません。余談ですが、日本で犬を扱うスペイクリニックはまだ珍しいですが、米国のスペイクリニックは猫だけではなく、普通に犬も扱います。