スペイクリニックの法的規制 その5

ASPCA(米国動物虐待防止協会)の“S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)を参考に、スペイクリニックを開設するにあたっての法的手続きについて見ています。

 

事業開始届

Your city or state may require additional licensing such as a business/privilege license or drug/pharmacy license.

あなたの市または州では、事業許可や薬物取扱免許、薬局開設許可などの追加の許可が必要になる場合があります。

 

【のらぬこの解説】

日本の場合も全く同じです。日本においてスペイクリニックを開設する場合は、管轄の家畜保健衛生所に「飼育動物診療施設」の届出が必要ですが、それ以外にも税務上の「事業開始届」や、麻酔にケタミンを用いるのであれば「麻薬施用者免許」が必要です。

 

税務上の事業開始届

運営主体が個人か法人か、また営利活動か非営利活動かによって手続きは変わってきますが、一般論として個人事業を始める際には次の手続きが必要です。

 

・「個人事業の開業・廃業等届出書」(税務署)

・「事業開始等申告書」(都道府県税事務所及び市町村)

・社会保険の加入手続き(従業員を雇用する場合)

 

麻薬施用者免許

獣医領域で一般的に用いられる薬物のうち、日本の「麻薬及び向精神薬取締法」の規制を受けるものの代表は、やはりケタミンです。ケタミンは、米国では獣医師が施用するにあたり特段免許等は必要ないので広く用いられていますが、日本では2007年に麻薬に指定され、多くの獣医師が麻薬施用者免許を取得しました。

 

麻薬施用者免許を取得するには、都道府県知事への申請が必要です。窓口は(人間の)保健所になります。添付書類として獣医師免許証の写し、「精神機能の障害」や「麻薬及び覚せい剤の中毒」ではないという医師の診断書、そして手数料が必要です。

 

施設に麻薬施用者が2名以上いる場合は、麻薬管理者免許が別途必要です(施用者と兼務できます)。

 

薬局開設許可

日本の「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)」(旧薬事法)では、飼育動物診療施設の調剤所は「薬局」ではないとされ(第2条第12項)、薬局開設許可は不要です。