ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)を元に、スペイクリニックの理想的な面積について考えてみましょう。
Square Footage(面積)
We recommend 2,000 - 3,000 sq. ft for a 1-vet practice, and 3,500 - 5,000+ sq. ft. for a 2-vet practice. You should visit as many high-volume clinics as possible to see their floor plan and flow.
獣医師1名の場合は 185~280平方メートル(56坪~84坪)、獣医師2名の場合は325~465平方メートル(98坪~140坪)以上をお勧めします。できるだけ多くのハイボリュームクリニックを訪問し、その間取りやフローを確認する必要があります。
【のらぬこの解説】
つまり獣医師1名のクリニックなら約100畳、獣医師2名なら約200畳以上が望ましいということです。ただしこの面積は手術室だけではなく、待機スペースや回復スペース、診察室などを含みます。HQHVSN(高品質かつ大量の避妊去勢手術)を行おうとすれば、獣医師1名につき手術台が2台必要ですし(2名なら4台)、獣医師の数が増えるということはクリニックの手術能力が増大するということですので、待機スペースや回復スペースもそれなりの面積が必要になります。
「ガイド」にも書かれていますが、スペイクリニックを建設しようとする場合、できるだけたくさんのクリニックを見て(稼働中が望ましい)、可能であればそこのスタッフに改善したい点などを聞くのがよいでしょう。
Flow(フロー)
What do we mean by flow? Flow is the way patients, staff, and the public move through your building, during the intake/surgery/release process. Good clinic flow means less stress for the animals, less steps or repetition for your staff, and an efficient use of your clinic space.
フローとはどういう意味でしょうか? フローとは、患者、スタッフ、そして一般の人々が、受け入れ、手術、退院の過程において、建物内を移動する動線のことです。クリニックのフローがよければ、動物たちのストレスは軽減され、スタッフにとっても手順や繰り返しが減り、クリニックのスペースが効率的に使用されます。
【のらぬこの解説】
スペイクリニックの流れは、受付→待機→前処置→手術→後処置→回復→退院というのが基本です。その動線を考えて設計することが望ましいといえます。