ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)を元に、スペイクリニックの理想的な間取りについて考えてみます。あくまでも「理想的な」ですので、極力これに近づけることが望ましいといえます。
「ガイド」には“This is a list of ideal components for a 1-Vet clinic”(獣医師1名のクリニックの理想的な要素)という表が掲載されています。そこには下のような部屋や場所が示されています。
Lobby(ロビー)
Reception(受付)
Exam(診察室)<米国では法的に必置>
Restroom(トイレ)
Offices(事務室)
Laundry(洗濯場)
Pack Area(パック場)
Prep(準備室)
Surgery(手術室):回復室を兼ねる
Cat Room(猫部屋)
Dog Room(犬部屋)
Other(その他)野良猫部屋、休憩室、隔離廊下
これらはそれぞれを別の部屋にしなければならないというわけではなく(手術室だけは独立した部屋であることが望ましいですが)、そういうスペースが必要ですよということを示しています。おそらく現実的にはこんな感じになると思います。
受付ロビー:ロビー+受付(トイレも設置)
休憩室:更衣室や事務室を兼ねる
洗濯室:洗濯場+パック場
手術室:準備室+手術室
動物の待機スペース(手術前及び手術後)
※日本では診察室は必置ではないので、診察は待機スペースや手術室で行います。
あとは建設予算やスペースと相談ということになります。またこれらは必ず同じ建物内に置かなければならないというわけではなく、同じ敷地内に分散配置(例えば洗濯やパック、スタッフの更衣や休憩は別棟で行う)というやりくりの仕方もあります。
次回からはそれぞれの部屋の「理想的な」要件について見ていくことにしましょう。