スペイクリニックの理想の間取り<ロビー>

ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)を元に、スペイクリニックの理想的な間取りについて考えてみます。あくまでも「理想的な」ですので、極力これに近づけることが望ましいといえます。

 

This is a list of ideal components for a 1-Vet clinic(獣医師1名のクリニックの理想的な要素)

 

Lobby(ロビー)

 

NEED TO HAVE(ぜひ欲しい)

200-250 sq. feet is good for a 1-vet clinic with transport program. More needed for all-public schedule.

輸送プログラムを受け入れる獣医師1名のクリニックには、18~23平方メートルが適当です。一般の動物を受け入れる場合は、さらに面積をとる必要があります。

 

NICE TO HAVE(あった方がよい)

More sq. feet or divided lobby for dogs & cats. Separate door for aggressive dogs.

犬や猫のために、より広い面積や仕切られたロビーを用意。攻撃的な犬には別の入り口を。

 

COMMENTS(コメント)

Consider clinic business - public vs. transport ratio. Lobby to accommodate check-in & release = up to 70 people in 1 hour for an all-public schedule on next day release. Also consider parking needs.

クリニック事業のうち、一般受入れと輸送受入れの比率を検討してください。受付と退院に対応するロビー = 翌日退院の一般受入れの場合、1 時間で最大 70 人。駐車場の必要性も考慮してください。

 

【のらぬこの解説】

ロビーに必要な面積や機能については、スペイクリニックの事業内容によって変わってきます。transport programは、手術対象の動物がアニマルシェルターや動物管理機関、動物保護団体などからまとめて持ち込まれるパターンです。対してall-public scheduleは、一般の飼い主や野良猫の世話人などから個別に動物が持ち込まれる形態をいいます。当然ながら、後者はそれぞれの飼い主が1~数頭ずつの動物を連れてきますから、多数の人と動物が受け付け待ちできるように、ロビーもそれなりの規模が必要です。同時に、それに見合った駐車場も必要です。

 

また猫へのストレスの観点から犬と猫は一緒にしないことが望ましいですから、犬と猫を別にすることができることが理想的です。