スペイクリニックの理想の間取り<洗濯場>

ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)を元に、スペイクリニックの理想的な間取りについて考えてみます。あくまでも「理想的な」ですので、極力これに近づけることが望ましいといえます。

 

This is a list of ideal components for a 1-Vet clinic(獣医師1名のクリニックの理想的な要素)

 

Laundry(洗濯場)

 

NEED TO HAVE(ぜひ欲しい)

1 W/D set. Pack laundry must be washed separately from kennel laundry

洗濯機と乾燥機の1セット。パックの洗濯物は、犬舎の洗濯物とは別に洗う必要があります

 

NICE TO HAVE(あった方がよい)

2+ W/D. Floor drain for mop buckets.

洗濯機と乾燥機の2セット。モップバケツ用床排水口。

 

COMMENTS(コメント)

Residential or commercial machines. Laundry, packs and autoclave activities are often positioned near each other for efficiency. Can also use stackable W/D for pack laundry.

家庭用または業務用の機械。洗濯、パック、オートクレーブ作業は、効率のために互いに近くで行われることがよくあります。パック洗濯用の、持ち運び可能な洗濯乾燥機も使用できます。

 

【のらぬこの解説】

スペイクリニックの洗濯物には2種類あります。器具のパッキングや手術に用いた手術布(ドレープ)と、動物の待機時に使ったタオルや毛布、洗濯ネットなどです。前者が「パックの洗濯物」、後者が「犬舎の洗濯物」です。両者は汚染のレベルが全く異なる洗濯物ですので、本当は別の洗濯機で洗いたいところですが、なかなかそうもいかないので、同じ洗濯機で分けて洗うことになります。また洗濯物の除菌や乾燥効率化の観点から、乾燥機も欲しいところです。タオルや毛布は大量に用意できますから、洗濯の際に漂白剤を使って天日干しで乾燥するという手もありますが(干すスペースも必要ですね)、ドレープは特に手術頭数が多い日には途中で足りなくなり急遽洗濯するなんてことも起こります。その際には乾燥機が活躍します。そういう事情もあるので、洗濯場は手術室やパック場(後述)の近くにあると便利です。