スペイクリニックの理想の間取り<準備室>

ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)を元に、スペイクリニックの理想的な間取りについて考えてみます。あくまでも「理想的な」ですので、極力これに近づけることが望ましいといえます。

 

This is a list of ideal components for a 1-Vet clinic(獣医師1名のクリニックの理想的な要素)

 

Prep(準備室)

 

NEED TO HAVE(ぜひ欲しい)

2 prep table, 2 anesthesia machine, counter space, sink.

準備台2台、麻酔器2台、カウンタースペース、流し台。

 

NICE TO HAVE(あった方がよい)

Larger counter, extra storage space and double sink

大きなカウンター、十分な収納スペース、2槽シンク

 

COMMENTS(コメント)

250 sq ft good size for 1-vet practice. Double-lock drug safe in or near prep. Small phone/computer workstation. Refrigerator for meds. Good lighting and plenty of elec. Outlets

獣医師1名の手術には23平方メートルくらいが適当です。準備室または準備室の近くで、薬物を二重ロックで保管します。小型の電話やコンピューターを備えたワークステーション。医薬品用冷蔵庫。良好な照明と十分な電力。コンセント

 

【のらぬこの解説】

手術室と別に準備室を設け、しかもそこにも麻酔器を設置するなどという贅沢は、米国の資金が潤沢な動物保護団体なら可能なのかもしれませんが、普通は無理です。現実的には手術室に手術台を2台設置して、1台で準備しながらもう1台で手術を行い、終わったら執刀医が隣の手術台に移動する…というサイクルを繰り返すことになります。

 

準備室を省略する場合でも、医薬品や消耗品の保管場所は必要です。消耗品のうち、手術時にすぐ使うもの(注射筒や注射針など)に関しては手術室の棚に保管することになると思います。その他の消耗品についてはどこかの空きスペースに…ということになるのでしょう。また麻酔薬や麻酔拮抗薬などについては鍵付きの薬品保管庫に保管する必要がありますし、ワクチンや一部の抗生剤などは薬剤用冷蔵庫に保管する必要がありますが、手術室内かその近くが便利でしょう。