スペイクリニックの床材と壁材 その1

ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)のから、具体的な内装や機材について見ていきましょう。

 

Flooring Materials(床材)

The flooring in your clinic must be non-porous (no carpet, wood).

クリニックの床は非浸透性でなければなりません (カーペットや木材は使用できません)。

 

【のらぬこの解説】

日本の獣医療法の規定では、手術室の床は非浸透性でなければなりませんが、それ以外については規定がありません。しかし清掃や消毒のことを考えると、クリニック全体の床面が非浸透性であることが望ましいといえます。「ガイド」で例示されている床材は次の5つです。

 

Sealed Concrete:(コンクリートのたたき)

Vinyl Composition Tile(ビニル複合タイル)

Commercial Rolled Vinyl with heat sealed seams:(業務用ロールビニール)

Epoxy:(エポキシ樹脂)

Marble/Ceramic Tiles:(大理石/セラミックタイル)

 

それぞれに利点と欠点があります。詳しく見ていくことにしましょう。

 

Sealed Concrete:(コンクリートのたたき)

Pros: Least expensive option.

利点:最も安価。

Cons: Must be sealed yearly, leg fatigue for staff, slippery when wet, cleaning agents sometime react with sealer. Option to rough-up the surface to make less slippery.

短所: 毎年塗り直しが必要、スタッフの足が疲れる、濡れると滑りやすい、洗浄剤が素材と反応することがある。表面を粗くすると滑りにくくなる。

 

Commercial VCT Tile (Vinyl Composition Tile)(業務用VCTタイル(ビニル複合タイル))

Pros: Relatively inexpensive, multiple color choices, very sturdy.

長所: 比較的安価で、複数の色を選択でき、非常に丈夫。

Cons: Must be stripped and re-sealed/waxed periodically. Multiple seams.

短所: 定期的に剥がして再密封/ワックスがけする必要がある。複数の継ぎ目。

 

Commercial Rolled Vinyl with heat sealed seams:(ヒートシールで継いだ業務用ロールビニール)

Pros: Moderately inexpensive, little maintenance. Purchase best quality you can afford.

長所: 適度に安価で、メンテナンスがほとんど必要ない。極力最高品質のものが推奨される。

Cons: Can stain, scratch, seams curl. Position floor seams away from high traffic areas.

短所: 汚れ、傷、縫い目がめくれる可能性がある。床の継ぎ目を人が良く通る場所から離して配置する。

(続く)