スペイクリニックの手術台の配置

ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)から、具体的な内装や機材について見ています。

 

Placements of Surgical or Prep Tables(手術台または準備台の配置)

Most surgical tables are approximately 2’ x 5’. Prep tables, depending on the style, are also 2’ x 5’. When finalizing your remodeling plans, allow for at least 3’ clearance for any walking patterns between tables (tables placed side by side) and a 4’- 5’ central corridor if tables are placed on opposite walls. This provides good flow when staff is maneuvering larger dogs. Consider that anesthesia machines are at the head of the table (both surgery and prep) and instrument trays at the foot of the table (surgery only). If the anesthesia machines are wall-mounted, the tables cannot sit flush to the wall due to the 6-8” clearance needed for the hoses.

ほとんどの手術台は約60cm×150cmです。準備台もそのスタイルによるのであれば60cm×150cmです。改装計画を決定する際には、台の間の移動を考慮して少なくとも90cmの空間を確保し(台を横に並べた場合)、台を反対側の壁に設置する場合は中央通路を120cm~150cm確保します。これは、スタッフが大型犬を移動させる際の動線を確保するためです。麻酔器を台の前に置き(手術台と準備台両方)、器具のトレイを台の下に置く(手術台のみ)ことを考慮します。麻酔器を壁掛けにした場合、ホースに15~20cmの隙間が必要なため、台を壁につけることはできません。

 

【のらぬこの解説】

執刀医1名のスペイクリニックであっても、手術台を2台設置することが理想です。1台で手術をしている間にもう1台の手術台でスタッフが準備作業を行えば、獣医師1名でも効率的に手術を行うことができます。その場合、手術台を並列させて執刀医がその間に入れば、体の向きを変えれば両方の手術台にアクセスでき、非常に便利です。その間隔が約90㎝というわけです。執刀医が2名の場合、手術台は4台あることが望ましいですが、2台一組の手術台が2組ということになるので、それぞれの間隔は120cm以上あることが望ましいというわけです。しかしそれは大型犬の移動を考慮した数字なので、猫しか扱わないのであればもう少し狭くてもよいと思います。

予算やスペースの問題で、手術台を1台しか置けないスペイクリニックもあるかもしれませんが、簡単でもよいので、術前処置や術後処置のための準備台を設けておく必要があります。