スペイクリニックの準備台

ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)から、具体的な内装や機材について見ています。

 

Prep Table(準備台)

Stainless prep tables can be purchased from restaurant supplier or your veterinary supplier (much less expensive from restaurant supplier). It is very nice to have prep tables with shelves underneath for extra storage. 

ステンレス製の準備台は、厨房機器販売業者や獣医療機器販売業者から購入することができます(厨房機器販売業者からの購入の方がはるかに安価です)。準備台の下に収納用の棚があると便利です。

 

【のらぬこの解説】

「ガイド」はあくまでも「理想的」なスペイクリニックを目指したものです。手術台にしても「普通の」動物病院の手術室にあるようなものを想定しています。しかし実際にスペイクリニックを建設しようとした場合、専用の医療機器はコストが高く予算をオーバーしてしまうことがしばしばあります。「ガイド」ではせめて準備台だけでも厨房機器で代用しコストカットを図るとしています。

 

しかし現実には、手術台すら専用品を用意することが難しいというスペイクリニックもあります。中古の手術台が購入できればよい方で、作業用の足場やアイロン台などで代用しているのも見たことがあります。スペイクリニックは高度な手術を行うわけではないですから、それでもなんとかなってしまうわけです。麻酔器や滅菌器はたとえ高価であっても専用品でなければなりませんから、代用品で済むところは代用品で済ませるという割り切りも必要なのです。

 

Wet Table(ウェットテーブル)

Wet tables are not needed for a spay/neuter clinic; they can be problematic to sanitize, a bit less stable for larger dogs and will be expensive to move if you want to reconfigure your prep area. It is a matter of preference and cost to install.

ウェットテーブルはスペイクリニックには必要ありません。衛生面で問題があり、大型犬には少し安定性に欠け、準備エリアを改装する場合は移動に費用がかかります。それは好みの問題であり、設置するためのコストもかかります。

 

【のらぬこの解説】

ウェットテーブルとは蛇口がついていて、使用後に台の上を流水で洗い流すことができる診察台です。「普通の」動物病院ではよく用いられていますが、当然のことながらスペイクリニックには必要ありません。