ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)から、具体的な内装や機材について見ています。
Autoclave(オートクレーブ)
The autoclave on our equipment list requires a 220v outlet (see right). This machine weighs 175 lbs., is 20” H x 26” W x 35” D and comes with a metal stand. You may choose to place it on a counter instead. Different brands/models may have different plugs. The Tuttnauer 3870 is an x-large capacity (12-14 packs) with manual controls. ASNA has used this model for many years and found it to be reliable. Some clinics will also purchase a smaller model as a back-up.
われわれの備品のオートクレーブは、220Vのコンセントが必要です。この機器の重量は約80kg、大きさは高さ50cm×幅66cm×奥行89cmで、金属製のスタンドが付属しています。カウンターの上に置くこともできます。ブランド/モデルによって、プラグが異なる場合があります。Tuttnauer 3870は、手動制御で超高容量(12-14パック)です。ASNAは長年このモデルを使用しており、信頼性が高いことが分かっています。一部のクリニックでは、バックアップとして小型のモデルも用意しています。
【のらぬこの解説】
オートクレーブとは「高圧蒸気滅菌器」のことで、簡単に言えば電気仕掛けの圧力釜です。高温高圧処理を行うことで、比較的低温でかつ早くほとんどの微生物を死滅させる(滅菌)ことができます。当然のことながら、手術に用いる器具は滅菌しなければなりませんから、スペイクリニックには必須の設備といえます。
もちろんオートクレーブでなくても、コンロで煮沸消毒したり、微生物を殺す薬剤やガスを使ったりする方法もありますが、スペイクリニックは基本的に高回転でたくさんの手術を行いますから、短時間で多くの器具を滅菌できるオートクレーブが圧倒的に便利です。
ASNA(ASPCAのスペイクリニック)で使われているオートクレーブはTuttnauer社の3870というシリーズで、大容量のモデルです。これなら10個以上の手術パックを一気に滅菌できますが、設置するのに場所を取ります。予算や面積が限られている小規模なスペイクリニックでは、数個のパックが滅菌できる比較的小型のオートクレーブ(例えば歯科用)を使っているところもあります。MASH(仮設会場での「一斉手術」)にも対応するため、あえて移動可能な小型のモデルを購入するという考え方もあります。たとえ容量が少なくても、オートクレーブを使えば短時間で滅菌可能ですから、手術の途中で滅菌済みの器具が足りなくなりそうであればその時点で対応すればいいわけです。