スペイクリニックの床の排水

ASPCA(米国動物虐待防止協会)による、スペイクリニックを建設する際のいわゆる「建設ガイド」 “S/N Building & Equipment Resource Guide”(以下「ガイド」)から、具体的な内装や機材について見ています。

 

Floor Drains & Sinks(床の排水と流し台)

Sinks are needed in the prep area, in packs (for ultrasonic cleaner to drain and instrument cleaning) and perhaps in the exam room if required by your state practice act. Sinks are really not needed in the dog and cat kennels, but would be used if they were already there. 

流し台は、準備エリア、パック場(超音波洗浄機からの排水、器具洗浄用)、そしておそらく診察室にも必要です(州の獣医療法で定められている場合)。流し台は犬や猫の収容室には必要ありませんが、すでにある場合は活用します。

 

【のらぬこの解説】

流し台は洗い物や手洗いを行う場所に必要です。つまり準備室やパック作業場です。動物の飼養スペースに流し台は必須ではありませんが、あってはならないというものでもありません。

 

A floor drain would be used in a utility/cleaning area to empty a mop bucket. Some organizations like to have drains in the animal holding areas but they are not a requirement and perhaps not worth the extra cost. There should be no drains or sinks in surgery.

床の排水口は、モップバケツの排水を流すために、多目的スペースや清掃スペースで使用されます。動物飼育スペースに排水溝があることを好む組織もありますが、必須ではありませんし、余分なコストをかける価値もおそらくありません。手術室には排水溝や流し台を設けるべきではありません。

 

【のらぬこの解説】

「ガイド」の記述を読むと、スペイクリニックの床はドライ運用が望ましいといえます。つまり床を湿らせたモップで拭くことはあるでしょうが、床に水を流して洗浄することはないということです。モップはバケツで洗い、汚水はそれ専用の流しに流すことになります。古い設計の犬の収容施設には排水溝が設けられていて、床に水を流して一気に汚れを流し去るという構造になっているところが多いですが、「ガイド」によると、元々ドライのものをあえてそうする必要はないということです。

当然ながら、手術室は完全ドライである必要があります。洗い物や手洗いは準備室で行います。