アニマルシェルターの管理と記録(3) 獣医師との協力体制

2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※ (アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)から、シェルターの運営体制について見ています。

 

1.2 Management structure(管理体制)※続き

 

A formal relationship with a veterinarian must be in place to ensure oversight of medical and surgical care in the shelter. 

シェルターでの医療や手術の監督を確実にするために、獣医師との正式な関係を構築しなければならない。(p5)

 

A shelter’s veterinarian must have knowledge about their particular population and should have training or experience in shelter medicine. 

シェルターの獣医師は、その特定の集団に関する知識を持っていなければならず、シェルターメディスンに関する研修または経験を有しているべきである。 (p5)

 

The shelter’s veterinarian should be consulted on all policies and protocols related to the maintenance of medical and behavioral animal health (see Medical Health ). 

医学的および行動学的な動物の健康維持に関連するすべての方針や手順については、シェルターの獣医師に相談すべきである(「医療健康」を参照)。(p5)

 

【のらぬこの解説】

前回も述べたように、アニマルシェルターにおける獣医療に関する意思決定は獣医師が行うべきで、動物の健康管理に関する相談は獣医師にする必要がありますから、当然ながらシェルターは「獣医師との正式な関係を構築」する必要があります。シェルターが常勤の獣医師を雇用できればよいですが(米国にはそういう大規模シェルターもあります)、必ずしもそうしなければならないというわけではありません。地元の開業獣医師と契約するという方法もありますし、非常勤の獣医師をパートタイムやボランティアで雇うという方法もあります。その場合、獣医師は当該シェルター固有の動物群について把握している必要があります。またその獣医師には、シェルターメディスンに関する知識または経験を持っていることが求められます。なぜなら、収容動物を群としてとらえて管理するシェルターメディスンは、個別の動物の診察や治療を行う通常の獣医療とは異なる点が多いからです。

 

※ Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022