2022年に改訂された、ASV（シェルター獣医師会）の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※（アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」）から、アニマルシェルターの施設について見ています。
4.2.2 Primary enclosure set-up（外囲いの設定）
All dogs should be given the opportunity to hide within their enclosure, especially young, small, fearful, and anxious animals.
すべての犬、特に若くて小さく、怖がりで不安な動物は、囲いの中に隠れる機会を与えられるべきである。 (p15)
A soft resting place that elevates animals off of the floor should be made available for all animals to ensure comfort, keep animals dry, and support thermoregulation.
快適性を確保し、動物を乾燥させ、体温調節をサポートするために、床から高くなる柔らかい休息場所をすべての動物が利用できるようにするべきである。(p15)
All cats must be given the opportunity to hide within their enclosure.
すべての猫は囲いの中に隠れる機会を与えられなければならない。(p15)
To ensure that cats can display natural behaviors, feline primary enclosures must allow scratching, climbing, and perching.
猫が自然な行動を確実に示すことができるように、猫の外囲いは、引っ掻いたり、よじ登ったり、止まったりできるようにしなければならない。(p15)
Cats must have a litter box large enough to comfortably accommodate their entire body and allow for proper posturing.
猫は、体全体を快適に収容し、適切な姿勢をとらせるのに十分な大きさのトイレを与えられなければならない。(p15)
【のらぬこの解説】
外囲いの中には、動物が隠れる場所を設けることが望ましく、猫の場合は必須です。猫の隠れ家は簡単に入手できますが、犬の隠れ家として「ガイドライン」では、covered crate within the enclosure（囲い内の覆われたクレート）、a visual barrier over part of the kennel front（犬舎の正面の一部を覆う視覚的障壁）が挙げられています。
猫の外囲いの中には、登る場所、引っかき場所、およびトイレを設ける必要があります。猫の隠れ家として“cat den”や小型のキャリーケースを用いると、猫の登り場所と兼用できます。猫用のトイレは、猫が用を足せるよう十分な大きさである必要があります。
※ Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022