アニマルシェルターの衛生(10)  物品の衛生 その2

2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※(アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)から、アニマルシェルターの衛生管理について見ています。

 

5.4.3 Equipment and supplies(機器と消耗品) ※続き

 

消毒が困難な物品

Objects with scratched, damaged, and porous surfaces are difficult or impossible to completely disinfect and should be used with caution or discarded between animals.

傷、損傷、および浸透性の表面を持つ用品は、完全に消毒することが困難または不可能であり、慎重に使用するか、動物間で使い捨てにすべきである。(p25)

 

【のらぬこの解説】

「消毒が困難な物品」には、プラスチック製のトイレ、エアラインキャリア(旅行用のペットキャリア、布製のものが多い)、プラスチック製または素焼きの陶器の水入れなどが含まれます。

 

繊維製品

All bedding and other textiles used at the shelter must be discarded or laundered and thoroughly dried when visibly soiled and before reuse with a different animal. 

シェルターで使用されるすべての寝具やその他の繊維製品は、目に見える汚れがある場合は廃棄するか、洗濯して完全に乾燥させてから、別の動物に再使用しなければならない。(p26)

 

Organic debris (e.g. feces) should be removed from items before laundering.

有機物の破片(糞便など)は、洗濯の前にアイテムから取り除くべきである。(p26)

 

【のらぬこの解説】

一般的な洗濯もそうですが、汚れがひどいものは他の洗濯物とは別に洗濯すべきです。パルボウイルスや皮膚糸状菌など、通常の洗濯では除去できない病原体が蔓延しているおそれがある場合は、病原体に対応した方法で洗濯するか、使い捨てにする必要があります。

 

革の手袋や口輪など、簡単に消毒できない器具は病気の蔓延につながる可能性があるので、見た目が不健康な動物や、感染症の発生時には使わない方がよいでしょう。

 

給水管理

Automatic watering devices and water bottles should not be used if the watering valve cannot be sanitized before being used by another animal.

他の動物が使用する前に給水バルブを消毒できない場合は、自動給水装置と給水ボトルを使用すべきではない。(p26)

 

 囲い内の備品

Food and water bowls must be sanitized in a different location or at a different time than litter pans or items soiled by feces, to prevent cross contamination.

フードや水を入れるボウルは、二次汚染を防ぐため、トイレや糞で汚れたものとは別の場所、別の時間に洗浄消毒しなければならない。(p26)

 

Basins used to sanitize food and water bowls and litter pans should be thoroughly sanitized between uses.

食器や水入れ、トイレの消毒に使用するたらいは、次の使用までに完全に消毒すべきである。(p26)

 

【のらぬこの解説】

器具の洗浄には食器洗い乾燥機も使用できますが、一部のウイルスや真菌は殺すことができないので、乾燥後に消毒する必要があります。

 

※ Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022