アニマルシェルターの獣医療(14)  栄養管理 その2

2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※(アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)から、アニマルシェルターにおける獣医療について見ています。

 

6.4.6 Nutrition(栄養管理) ※続き

 

栄養状態の監視

Food intake must be monitored daily.

食物摂取量は毎日監視しなければならない。(p33)

 

Since animals have highly variable metabolic requirements, each animal should be fed to meet individual needs and prevent excessive gain or loss of body weight. 

動物の代謝要件は非常に多様であるため、各動物は個々のニーズを満たすように給餌し、体重の過度の増減を防ぐべきである。(p33)

 

Body condition and hydration status of animals must be monitored. 

動物のボディコンディションと脱水状態を監視しなければならない。(p33)

 

【のらぬこの解説】

食欲の有無や栄養状態(肥満、やせ)は重要な監視項目です。特に食欲が低下、または廃絶している場合、獣医師による診察が必要です。

 

集合飼育の動物

Cohoused animals should be monitored during feeding times, so that appetite and conflicts around food may be addressed.

集合飼育された動物は、餌場争いに対処できるように、給餌時間中に監視するべきである。(p33)

 

Food and water dishes must be safe, sufficient in number, and of adequate size. 

食物と水の皿は、安全で、十分な数があり、適切なサイズでなければならない。(p33)

 

【のらぬこの解説】

集合飼育の場合、給餌皿は少なくとも全頭分用意し、それぞれを離して配置する必要があります。

 

食物の管理

Supplies of food must be stored in a manner to prevent spoilage or contamination, including refrigeration for perishable foods. 

食物は、腐敗や汚染を防ぐために、生鮮食品は冷蔵保存するなどの方法で保管しなければならない。(p33)

 

【のらぬこの解説】

生鮮食品を放置すると、害虫等を引き寄せるおそれがあります。

 

※ Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022