アニマルシェルターの外科手術(5)  その他の外科手術

2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※(アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)から、アニマルシェルターにおける外科手術について見ています。

 

7.3 Other surgeries(その他の手術)

To promote quality care for surgical patients, all surgical practices and protocols must be developed in consultation with a veterinarian familiar with the sheltering organization, its population, and facilities.

手術患者に対する質の高いケアを促進するため、すべての手術方法と手順は、保護団体、その個体群、および施設に精通した獣医師と協議の上、作成しなければならない。(p39)

 

Non-sterilization surgeries performed in the shelter setting, including dentistry, must adhere to the ASV Spay-Neuter Guidelines regarding surgical suite, anesthesia, analgesia, and principles of sterility related to instrumentation and surgical practice. 

シェルター環境で行われる、歯科などの避妊去勢以外の手術は、手術室、麻酔、鎮痛、および器具や手術に関連する滅菌の原則に関して「ASV 避妊去勢手術ガイドライン」を遵守しなければならない。(p39)

 

Ideally, shelters without the capacity to perform these surgeries partner with outside organizations, specialists, or transport partners to obtain necessary care.

これらの手術を行う能力のないシェルターは、外部の組織、専門家、または輸送パートナーと提携して、必要な治療を受けることが望ましい。(p39)

 

In particular, following orthopedic procedures, patients must receive appropriate rehabilitation and pain management in order to minimize discomfort and ensure success of the procedure. 

特に、整形外科手術の後、患者は、不快感を最小限に抑え、手術の成功を確実にするために、適切なリハビリテーションと疼痛管理を受けなければならない。(p39)

 

Ideally, orthopedic patients requiring extended care are not housed long term at the shelter.

長期療養を必要とする整形外科患者は、シェルターに長期間収容しないことが望ましい。(p39)

 

【のらぬこの解説】

避妊去勢手術を日常的に行っているアニマルシェルターであれば、その他の外科処置を行うこともおそらく可能です。ただし、術前および術後のケアを適切に実施できることが前提です。場合によっては、提携動物病院に手術を依頼することも検討しなければなりません。

骨折などの整形外科手術の場合、治癒まで時間がかかることが多いため、シェルターの滞在期間を短縮するために預かりボランティアや申告譲渡の活用も検討されます。

 

※ Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022