アニマルシェルターの行動学(9)  行動評価 その2

2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※(アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)から、アニマルシェルターにおける動物の行動学とメンタルヘルスについて見ています。

 

9.6 Behavior assessment(行動評価) ※続き

 

行動観察と問題への介入

Through the process of behavior assessment, shelter personnel must strive to learn as much as possible about each animal to aid in optimizing their care, pathway planning, outcome decisions, and adoption matching and counseling. 

シェルターの職員は、行動評価を通じそれぞれの動物について可能な限り多くのことを学び、ケア、経路計画、結果の決定、譲渡時のマッチングとカウンセリングを最適化するのに役立てるよう努めなければならない。(p47)

 

Behavior that requires intervention or affects how an animal can be safely handled must be entered into the animal’s record and communicated with shelter personnel promptly.

介入を必要とする、または動物を安全に取り扱う方法に影響を与える行動は、動物の記録に記し、シェルターの職員に速やかに通報しなければならない。(p47)

 

【のらぬこの解説】

アニマルシェルターで行動評価に携わる職員には、行動観察や記録、そして介入のためのスキルが必要です。そのためには最新の動物行動学について学習することが求められます。行動観察の結果については、都度記録しておく必要があります。

 

人間や他の動物との交流

When animals are experiencing high levels of stress or fear when interacting with people or other animals, they must not be forced to interact. 

動物が人や他の動物と交流する際に高レベルのストレスや恐怖を感じている場合、強制的に交流させてはならない。(p47)

 

In all cases, interactions with animals must not intentionally or carelessly provoke negative emotional states or undesirable behavior.

いかなる場合においても、動物との交流は、意図的または不注意に否定的な感情状態や望ましくない行動を引き起こしてはならない。(p47)

 

※ Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022