動物の輸送および移動(7)  輸送用の外囲い その2

2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※(アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)から、動物の輸送(transport)および移動(relocation)について見ています。

 

11.4.1 Primary enclosure and occupancy(外囲いと占有率) ※続き

 

輸送用外囲いの積み込み

In a transport vehicle, kennels must be positioned in a manner that ensures adequate airflow and temperature regulation within each primary enclosure. 

輸送車両では、動物舎は、各外囲い内で十分な空気の流れと温度調節が保証されるように配置しなければならない。(p56)

 

Primary enclosures must be loaded in a manner that minimizes animal stress or discomfort while allowing direct visual observation. 

外囲いは、動物のストレスや不快感を最小限に抑えながら、直接視覚的に観察できるように積み込まなければならない。(p56)

 

Primary enclosures must be secured to prevent movement within the vehicle, and doors secured to prevent accidental opening. 

車両内での動きを防止するために外囲いを固定し、偶発的に開かないようにドアを固定しなければならない。(p56)

 

In an emergency, operators must be able to swiftly remove animals.

緊急時には、運転手は動物を迅速に移動できなければならない。(p56)

 

【のらぬこの解説】

「ガイドライン」には、気流を確保するための外囲いの具体的な配置の方法について触れられています。

 

・輸送用外囲いは少なくとも3面に通気孔があるものを使用し、通気孔がある面は隣の構造物から2㎝以上離す

・外囲いが車両据え付けで扉にのみ通気孔がある場合、扉は遮蔽物がない通路に面するよう設計する

 

輸送用外囲いは、輸送中に動かないよう固定する必要があります。また外囲いの配置は非常時に動物を速やかに移動させることができるよう考慮する必要があります(後先考えずにメチャクチャに積み込んでしまうと、移動が大変です)。

 

※ Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022