2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※(アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)の「付録E」から、動物の五感の特徴に配慮したアニマルシェルターの環境管理について見ています。
Appendix E: Environmental Management Considering an Animal’s Five Senses
付録E:動物の五感に配慮した環境管理 ※続き
Smell(嗅覚)
<特徴>
・Keen sense of smell: highly sensitive to odors
鋭い嗅覚:匂いに非常に敏感
・Strong and noxious odors increase stress and fear
強烈で有害な臭いは、ストレスと恐怖を増大させる
・Animal odors and pheromones may increase stress and fear
動物の匂いやフェロモンは、ストレスや恐怖を増大させる可能性がある
・Pleasant and familiar smells support positive emotions
心地よく親しみやすい香りはポジティブな感情をサポートする
<管理>
・Use odor eliminators and enzymatic cleaners
消臭剤と酵素クリーナーを使用する
・Avoid strong and noxious odors
強烈で有害な臭いを避ける
・Provide pleasant odors such as scent enrichment
香りのエンリッチメントなどの心地よい香りを提供する
・Spot clean cat enclosures so familiar scent is retained
慣れ親しんだ香りが保たれるように、猫の囲いを部分的に清掃する
【のらぬこの解説】
犬や猫の嗅覚は、我々人間が感じる以上に鋭敏です。慣れない匂いはストレスを増大させますし、逆になじみの匂いは気持ちを落ち着かせます。特に猫の囲いの日常的な清掃は、毎日完全に清掃して匂いも洗い流してしまうよりも、汚れた部分のみをふき取る「スポットクリーニング」が推奨されます。
※Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022