2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※(アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)の「付録E」から、動物の五感の特徴に配慮したアニマルシェルターの環境管理について見ています。
Appendix E: Environmental Management Considering an Animal’s Five Senses
付録E:動物の五感に配慮した環境管理 ※続き
Touch(触覚)
<特徴>
・Highly sensitive to touch: certain areas of the body can be especially sensitive including the feet, mouth, genitals, and belly
触覚に非常に敏感: 足、口、性器、腹部など、体の特定の部分が特に敏感になることがある。
・Highly sensitive to approach and physical contact (all senses); may feel threatened by people leaning over them, approaching head on, or getting too close too fast
接近や物理的接触に非常に敏感(すべての感覚);人が寄りかかったり、正面から近づいたり、近づきすぎたりすると、脅威を感じることがある
<管理>
・Avoid contact with areas of the body that tend to be most sensitive; observe body language to determine how and where individuals respond best
最も敏感になりがちな体の部分との接触を避ける;ボディーランゲージを観察して、各個体が最もよく反応する方法と場所を判断する
・Approach slowly, steadily from the side, avoid rapid stroking, sudden manipulations, and restrictive restraint
横からゆっくりと着実に近づき、いきなりの愛撫、急な取扱い、制限的な拘束を避ける
・Provide stable footing, non-slip surfaces, address pain promptly
安定した足場、滑りにくい床面を提供し、痛みに迅速に対処する
【のらぬこの解説】
犬や猫は人間ほど視力がよくない(人間の視力が良すぎるのですが)ので、体の近くで手を急に動かすとびっくりすることがあります。タッチは「ゆっくり、やさしく」が基本です。触られてうれしい場所は個体によって異なりますので、少しづつタッチしてみて様子を見るのが無難です。
※Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022