2022年に改訂された、ASV(シェルター獣医師会)の“Guidelines for Standards of Care in Animal Shelters Second Edition”※1(アニマルシェルターにおけるケアの基準に関するガイドライン第2版、以下「ガイドライン」)の「付録F」から、アニマルシェルターにおける人や他の個体との交流について見ていきましょう。
付録 F: シェルターでの積極的な社会的接触の機会
Appendix F: Opportunities for Positive Social Contact in the Shelter
(参考文献は省略)
Calm interactions with people(人との穏やかな交流)
Quiet time (e.g. time out of enclosure in an office)
静かな時間 (例: 事務室で囲いから出す)
Petting, massage
ふれあい、マッサージ
Reading books
読み聞かせ
【のらぬこの解説】
ゆっくりと人間に慣らしていく、ソフトな交流です。
Active interactions with people(人との積極的な交流)
Play with toys (e.g. fetch, tug)
おもちゃで遊ぶ(つかむ、引っ張るなど)
Walking, jogging
ウォーキング、ジョギング
Training using positive reinforcement
正の強化を使用したトレーニング
【のらぬこの解説】
「正の強化」とは、よい行動を示した際にごほうびをあげることで、その行動の出現率を上昇させる学習手法で、動物の訓練の基本です。
Interactions with members of the same species(同種との交流)
Group housing of compatible animals (see Facilities: Co-housing)
適合した動物を集合飼育する(施設の章の集合飼育の項を参照)
Playgroups (dogs)
プレイグループ(犬)
Foster Care(預かりボランティア)
Overnight fostering (dogs)
お泊り(犬)
【のらぬこの解説】
Maddie’s Fundによると、預かりボランティア宅でのシェルター収容犬の「お泊り」は、たとえ1泊であっても犬はその恩恵を受けるそうです※2。
※1 Journal of Shelter Medicine and Community Animal Health 2022 -http://dx.doi.org/10.56771/ASVguidelines.2022
※2 https://chewonthis.maddiesfund.org/2017/09/study-do-shelter-dogs-benefit-from-short-term-foster-sleepovers/