“The Association of Shelter Veterinarians’ 2016 Veterinary Medical Care Guidelines for Spay-Neuter Programs”※(ASVによる避妊去勢プログラムにおける獣医療ガイドライン2016;以下「S/Nガイドライン」)は、「はじめに」「結び」を除き、次の6項目から構成されています。
Guidelines for Patient Care and Clinical Procedures 患者ケアと臨床処置のガイドライン
手術のために預かった犬や猫の取り扱いについてのガイドラインで、おおむねシェルターに受け入れた動物の取り扱いと共通しています。具体的には患者の輸送、記録、ワクチン接種、患者の取り扱い、感染症対策、緊急時のケアなどについて述べられています。
Guidelines for Preoperative Care 術前ケアのガイドライン
術前処置についてのガイドラインです。具体的には手術の可否の判断、術前の絶食、身体検査などについて述べられています。
Guidelines for Anesthetic Procedures 麻酔手順のガイドライン
避妊去勢手術自体は比較的安全な手術ですが、全身麻酔で行うので麻酔事故には気を付けなければなりません。そのため麻酔手順のガイドラインについては、多くの紙面が割かれています。具体的には周術期の体温調節、麻酔器の準備、気道管理、補液、モニタリング、麻酔手順、麻酔前投与、吸入麻酔薬による麻酔の導入と維持、麻酔ガスの廃棄手順、高リスク患者への対応などについて述べられています。
Guidelines for Surgical Care 手術のガイドライン
実際の手術についてのガイドラインです。具体的には手術エリアの環境、手術パックの準備、患者の準備、術者の準備、手術手技、手術後の動物の識別措置、抗菌薬の使用などについて述べられています。
Guidelines for Postoperative Care 術後ケアのガイドライン
術後処置についてのガイドラインです。具体的には回復、術後の合併症防止、鎮痛、麻酔拮抗薬の投与、患者の退院、術後のケアなどについて述べられています。
Guidelines for Operations Management オペレーション・マネジメントのガイドライン
オペレーション・マネジメントとは、ものすごく簡単に言うと「現場を円滑に回すための管理手法」のことです。特に一斉手術の場合、数をこなしてナンボという側面がありますから、とくにこの事項が重要になります。具体的にはチーム管理、手術の流れの管理、スタッフ教育、スタッフの労働安全、法令順守などについて述べられています。
※JAVMA • Vol 249 • No. 2 • July 15, 2016 -https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/249/2/javma.249.2.165.xml