手術動物の感染症対策

“The Association of Shelter Veterinarians’ 2016 Veterinary Medical Care Guidelines for Spay-Neuter Programs”※(ASVによる避妊去勢プログラムにおける獣医療ガイドライン2016;以下「S/Nガイドライン」)から、犬猫の避妊去勢プログラムにおける動物の感染症対策について見ていきましょう。

 

Infectious disease control procedures 感染症対策の手順

From the time of initial patient contact until discharge, patients should be carefully observed for signs of infectious disease. 

患者と最初に接触してから退院するまでの間、患者に感染症の兆候がないか注意深く観察するべきである。(p167R)

 

When such signs are identified, the patient should be segregated from other patients for the duration of its clinic stay. 

そのような兆候が確認された場合は、診療期間中、患者を他の患者から隔離するべきである。(p167R)

 

As is typical for any veterinary setting, standard procedures for cleaning, disinfection, and containment of potential infectious diseases should be established and regularly practiced.

他の動物病院と同様に、洗浄、消毒、および潜在的な感染症の封じ込めのための標準的な手順を確立し、定期的に実施するべきである。(p167R)

 

【のらぬこの解説】

避妊去勢手術に特化したクリニックや、仮設の手術室であっても、感染症対策の基本は一般的な動物病院を同じです。感染症を疑う症状を示す動物は、他の動物と隔離すべきです。

 

Strategies to limit cross-contamination among patients from multiple sources should be employed.

複数の出自からの患者間での交差汚染を制限する方策をとるべきである。(p167R)

 

【のらぬこの解説】

特に集合手術の場合、シェルターや個人ボランティアなど様々な出自の動物が手術施設に集合します。そういった点において、避妊去勢プログラムにおいては、アニマルシェルターと同様の感染症対策が必要です。特に避妊去勢プログラムにおいては、

・出自ごとに異なる機器を使用する

・出自ごとに別のスペースに一時収容する

・出自ごとに別の日に手術を行う

といった対策が有効ですが、そんな都合のいい話もそうそうありませんから、感染症防止を意識しながら手術を進めていくことになります。その具体的な方法については次回にご紹介します。