“The Association of Shelter Veterinarians’ 2016 Veterinary Medical Care Guidelines for Spay-Neuter Programs”※(ASVによる避妊去勢プログラムにおける獣医療ガイドライン2016;以下「S/Nガイドライン」)から、犬猫の避妊去勢プログラムにおけるクライアントへの聞き取りや説明について見ていきましょう。
Client communication クライアントとのコミュニケーション
A patient history must be obtained including current health status, current clinical signs of disease, current medications and supplements, previous vaccinations, pre-existing medical conditions, and previous adverse reactions.
現在の健康状態、現在の病気の臨床症状、現在服用している薬やサプリメント、過去の予防接種、既往症、過去の副反応など、患者の病歴を把握しなければならない。(p168R)
In addition, clients should be instructed to appropriately withhold food from their animals prior to surgery.
さらに、手術前に動物の食事を適切に控えるよう、クライアントに指示すべきである。(p169L)
Clients must be informed of surgical and anesthetic risks and must consent to the anticipated procedures.
クライアントは手術や麻酔のリスクについて知らされ、予想される処置に同意しなければならない。(p169L)
Prior to initiation of anesthesia, consent forms should be signed by clients or their duly authorized agents (ie, individuals of legal age who are authorized to make decisions for the patient).
麻酔開始前に、クライアントまたはその正当な権限を有する代理人(すなわち、患者のために意思決定を行う権限を有する法定年齢の個人)による同意書への署名を求めるべきである。(p169L)
【のらぬこの解説】
飼い主等から犬や猫の避妊去勢手術の依頼があった場合、クリニックは少なくとも「動物の状態の確認指示」「術前の絶食指示」「同意書への署名依頼」を行うべきです。同意書の内容はプログラムによって異なりますが、おおむね次のような内容が書かれています。
クライアントへの説明事項…(混合ワクチン未接種の場合)感染症暴露のリスク、麻酔や手術のリスク、輸送のリスク、手術に係る費用。
クライアントへの要望事項…動物の健康状態を自ら確認しておくこと。また術後の動物の継続的な健康管理はフルサービスの動物病院で行うことを推奨。
クライアントへの確認事項:耳カットを実施するか否か、また緊急連絡先(携帯電話が望ましい)
これらの事項についてクライアントが同意すれば、同意のサインをいただきます。
※JAVMA • Vol 249 • No. 2 • July 15, 2016 -https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/249/2/javma.249.2.165.xml