患者のドレーピング

“The Association of Shelter Veterinarians’ 2016 Veterinary Medical Care Guidelines for Spay-Neuter Programs”※(ASVによる避妊去勢プログラムにおける獣医療ガイドライン2016;以下「S/Nガイドライン」)から、避妊去勢手術前の患者の準備について見ています。

 

Patient preparation 患者の準備 ※続き

 

Patient draping 患者のドレーピング

The surgical drape should be of adequate size to prevent contamination of the sterile field. 

手術用ドレープは、清潔野の汚染を防ぐために適切な大きさのものであるべきである。(p175L)

 

Drape material must resist penetration by fluids and microorganisms under normal operating conditions. 

ドレープの素材は、通常の使用状態で液体や微生物の侵入を防ぐものでなければならない。(p175L)

 

The barrier function of reusable drapes is lost after repeated launderings; therefore, processing of packs should adhere to published guidelines for laundering, autoclaving, and useful service life.

再利用可能なドレープのバリア機能は、洗濯を繰り返すと失われる。したがって、パックの処理は、洗濯、オートクレーブ、および耐用年数に関する公表されたガイドラインに従うべきである。(p175L)

 

For cats and puppies undergoing routine castration, use of a clean or sterile drape is left to the surgeon’s discretion; however, if a drape is not used, extra care must be taken to prevent contamination during the procedure.

定例的な去勢手術を受ける猫や子犬の場合、清潔または滅菌ドレープの使用は外科医の判断に任されている。しかし、ドレープを使用しない場合は、手術中の汚染を防ぐために細心の注意を払わなければならない。(p175L)

 

【のらぬこの解説】

ドレープとは手術の際に手術部位にかける布や紙のことで、その目的は「手術部位の周囲に清潔野をつくり維持する(第70回獣医師国家試験)」ことです。そしてドレープをかけることをドレーピングといいます。ですので、ドレープは適切な大きさで汚染を防ぐことができる材質である必要があります。

ドレープは洗濯して繰り返し使うことができる布製のものと、使い捨ての紙製のものがあります。MASHなど仮設会場で行う一斉手術の場合、洗い物を減らすため使い捨てのドレープが好まれます。

 

※JAVMA • Vol 249 • No. 2 • July 15, 2016 -https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/249/2/javma.249.2.165.xml