術後の鎮痛

“The Association of Shelter Veterinarians’ 2016 Veterinary Medical Care Guidelines for Spay-Neuter Programs”※(ASVによる避妊去勢プログラムにおける獣医療ガイドライン2016;以下「S/Nガイドライン」)から、避妊去勢手術の鎮痛について見ていきましょう。

 

Analgesia 鎮痛

 

術後鎮痛の必要性

Because a portion of patients will require analgesia beyond the 24-hour postoperative period, there should be a plan to address analgesia after patients are discharged. 

患者の一部は、術後24時間を超えて鎮痛を必要とするため、患者の退院後の鎮痛に対処する計画を立てておくべきである。(p178R)

 

Clinicians must be prepared to adjust protocols to meet the needs of individual patients following surgery. 

臨床家は、手術後の個々の患者のニーズに合わせてプロトコルを調整する準備をしておかなければならない。(p178R)

 

【のらぬこの解説】

外科手術の際の鎮痛は手術前の「先取り鎮痛」が望ましいことは前述のとおりですが、手術前に鎮痛剤が投与されなかった場合、または鎮痛剤の追加投与が必要と判断された場合は、手術後に鎮痛剤の投与を行います。場合によっては退院後も鎮痛剤の投与が必要な場合があります。その場合は鎮痛剤を処方したり、処方箋を交付する必要があります。鎮痛剤はNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)単独でもよいですが、作用機序が異なる薬物を組み合わせる「マルチモーダル鎮痛」が推奨されます。

 

痛みの適切な管理

If patients frequently exhibit ongoing signs of pain or discomfort postoperatively or induce self-trauma to surgical wounds, analgesic protocols and patient preparation and surgical techniques should be carefully reviewed to identify factors that may be contributing to these problems following surgery.

患者が術後に痛みや不快感の兆候を頻繁に示したり、手術の傷口への自傷行為がみられる場合は、鎮痛剤のプロトコルや患者の準備、手術手技を注意深く見直し、術後にこれらの問題を引き起こす要因を特定すべきである。(p178R)

 

【のらぬこの解説】

術前の鎮痛が適切に行われていて、手術手技に問題がなければ、術後の鎮痛はそれほど重要ではないはずです。それでも患者が術後に痛みや不快感を感じているようであれば、術前鎮痛の手順や手術手技などについて見なおすべきです。

 

※JAVMA • Vol 249 • No. 2 • July 15, 2016 -https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/249/2/javma.249.2.165.xml