回復後の動物の一次預かり

“The Association of Shelter Veterinarians’ 2016 Veterinary Medical Care Guidelines for Spay-Neuter Programs”※(ASVによる避妊去勢プログラムにおける獣医療ガイドライン2016;以下「S/Nガイドライン」)から、回復後の動物の取扱いについて見ていきましょう。

 

Return to patient housing 患者を一時預かり施設に戻す ※続き

 

猫の一時預かり

For overnight stays, an absorbent substrate, such as paper, litter, or bedding, should be provided for cats. 

猫を1泊させる際には、紙、砂、寝具などの吸収性のある敷物を用意すべきである。(p179L)

 

【のらぬこの解説】

避妊去勢手術後の動物はその日のうちに退院させることもできますが、「S/Nガイドライン」では術後1泊させて経過を観察することが望ましいとしています。猫を1泊させる際には、ケージの中に吸水性の敷物を敷いておく必要があります。

 

犬の一時預かり

Dogs should be walked, provided that doing so does not pose a safety risk to staff; housed in an enclosure such as a run that allows for elimination away from the resting area; or provided with an absorbent substrate in their enclosures. 

犬は散歩させるべきであるが、それはスタッフに安全上のリスクを与えないことが条件である。また、休憩場所から離れた場所で排泄できるようなランなどの囲いの中で飼育するか、囲いの中に吸収性の敷物を用意すべきである。(p179L)

 

【のらぬこの解説】

犬を1泊させる際の注意点も、猫と同様です。

 

野良猫についての留意事項

Traps housing community cats should be covered to decrease patient stress and should be elevated to allow urine and feces to fall through the wire bottoms away from the patient or lined with absorbent material that can be safely changed if soiled.

野良猫を収容する捕獲器は、患者のストレスを軽減するために覆いがかけられるべきであり、尿や糞が患者から離れて網目の底を通って落ちるように高くするか、汚れても安全に交換できる吸収材を敷いておくべきである。(p179L)

 

【のらぬこの解説】

リターン予定の野良猫は、麻酔から回復する前に元の捕獲器に戻します。そのまま1泊させる場合は、猫とスタッフの安全のため捕獲器はむやみに開閉しない方がよいですから、排泄物が網目を抜けて下に落下するように高床式にしておくとよいでしょう。

 

※JAVMA • Vol 249 • No. 2 • July 15, 2016 -https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/249/2/javma.249.2.165.xml