“The Association of Shelter Veterinarians’ 2016 Veterinary Medical Care Guidelines for Spay-Neuter Programs”※(ASVによる避妊去勢プログラムにおける獣医療ガイドライン2016;以下「S/Nガイドライン」)から、退院後の動物へのケア指示について見ていきましょう。
Postoperative care instructions 術後のケア
Clients should be provided with clear instructions for postoperative care.
クライアントには術後のケアについて明確に指示すべきである。(p179R)
Both written and verbal instructions should be provided when possible.
可能であれば、書面と口頭の両方で指示するべきである。(p179R)
【のらぬこの解説】
避妊去勢手術は外科手術ですから、退院後のケアについてクライアントに指示する必要があります。指示内容はペットか野良猫かによっても異なりますし、特別な処置を実施した場合にはその旨の説明や指示も必要です。なお「クライアント」(依頼人)にはペットの飼い主はもちろんですが、野良猫の世話人など、文字通り避妊去勢手術を依頼した人が含まれます。
指示内容について、「S/Nガイドライン」で例示されているのは以下の事項です。
• 実施した処置の概要について(Summary of procedures performed)
• 正常な回復行動および異常な回復行動について(Normal and abnormal recovery behavior)
• 不快感や痛みのサインについて(Signs of discomfort or pain)
• 切開創のケアと観察について(Care and monitoring of the surgical incision)
• 食事や水を与えるタイミングについて(When to offer food and water)
• (もしあれば)運動の制限について(Exercise restrictions, if any)
• (もしあれば)投薬の指示(Medication instructions, if any)
• 個々の患者のニーズに基づいて指示されるその他の特別な指示(Other special instructions as indicated based on the needs of the individual patient)
• 質問や懸念のための連絡先を含む、術後の合併症の通報に関する指示(Instructions for notification of postoperative complications including contact information for questions or concerns)
• 緊急に獣医師の再診察が必要となる状態の変化について(Changes in status requiring urgent veterinary reevaluation)
• 緊急時のケアに関する指示(Instructions for emergency care)
• 継続的な獣医療ケアに関する推奨事項(Recommendations for ongoing veterinary care)
※JAVMA • Vol 249 • No. 2 • July 15, 2016 -https://avmajournals.avma.org/view/journals/javma/249/2/javma.249.2.165.xml