運転中に迷子のペットを見かけたらどうするか、HSUS(米国人道協会)のホームページ“How to help a stray pet”(https://www.humanesociety.org/resources/how-help-stray-pet)から見ています。
Shelters and agencies シェルターと動物管理機関
Understand the limitations of shelters and animal care and control agencies. For instance, you can take a badly injured stray dog to animal control and find out that the agency is unable to provide expensive surgery to treat the dog's injuries. In those cases, shelters may euthanize the animals to relieve their suffering. Virtually all animal control facilities have severe budgetary or space limitations and must make painful decisions about how best to allocate their inadequate resources.
シェルターと動物保護管理機関の限界を理解してください。たとえば、重傷を負った野良犬を動物管理機関に連れて行けば、その機関が犬の怪我を治療するための費用のかかる手術を提供できないことが判明することがあります。そのような場合、シェルターは苦痛を和らげるために動物を安楽死させることがあります。実質的にすべての動物管理施設は、予算やスペースに厳しい制限があり、不十分なリソースをどのように配分するのが最善かについて苦渋の決断を迫られています。
【のらぬこの解説】
アニマルシェルターや動物管理機関に負傷動物が持ち込まれ、その施設が治療のためのリソースを持ち合わせていない場合、中途半端な処置により動物を苦しめるくらいなら、やむを得ず安楽殺を選択することもあります。これは米国も日本も同じです。
日本の動物愛護法では、このように規定されています。
第三十六条 道路、公園、広場その他の公共の場所において、疾病にかかり、若しくは負傷した犬、猫等の動物又は犬、猫等の動物の死体を発見した者は、速やかに、その所有者が判明しているときは所有者に、その所有者が判明しないときは都道府県知事等に通報するように努めなければならない。
2 都道府県等は、前項の規定による通報があつたときは、その動物又はその動物の死体を収容しなければならない。
つまり、負傷動物等については自治体に収容義務があるわけです。しかし収容後にその動物がどうなるかは、各自治体の裁量に委ねられています。「犬及び猫の引取り並びに負傷動物等の収容に関する措置について」(平成 18 年環境省告示第 26 号)では、負傷動物等については「必要に応じて治療を行うこと」としながらも、「ただし、治療を加えても生存することができず、又は治療することがかえって苦痛を与え、若しくは長引かせる結果になる場合等、死期を早めることが適当であると獣医師又は都道府県知事等が判断した場合にあっては、この限りでない」とされていて、場合によっては安楽殺もやむなしとされています。