譲渡の障壁について考える(8)譲渡しやすい保護動物の傾向

Hill’s Pet Nutritionによる“2023 State of Shelter Adoption Report”(以下「レポート」)※1では、どのような保護動物が譲渡されやすいかという調査結果を示しています。

 

譲渡されやすい保護動物の傾向(What Consumers Want in a Shelter Pet)

 

動物種

Dogs are still the top species choice when it comes to shelter adoptions

シェルターにおける譲渡に関しては、依然として犬がトップの選択肢である

 

年齢

The most popular age range for shelter pets is “young adult” or 1-3 years

保護動物で最も人気のある年齢層は「若い成熟個体」または1~3歳である

 

譲渡を促進する要因

Vaccinations, spay and neuter services, and ongoing vet care are top factors in incentivizing adoption

ワクチン接種、避妊去勢手術、および継続的な獣医療サービスは譲渡を促進する最大の要因である

 

犬の大きさ

Small and mid-size are the most preferred size of dogs

犬の大きさは中型や小型が最も好まれる

 

ペットを譲り受ける際に考慮すること

Pet personality/ behavior and health are the top two factors pet owners consider when thinking about pet adoption

ペットを譲り受ける際に考慮する要素の上位2つは「性格や行動」と「健康状態」である

 

中~大型犬の譲渡の課題

日本の場合も同様で、実際に譲渡に携わる立場から見ると、非常に当たり前の結果が示されているといえます。日本においても猫よりも犬の譲渡率が高い傾向があります(譲渡団体への「丸投げ」も「譲渡」にカウントされますから、個人への「真の」譲渡もそうとは言い切れませんが)し、小型犬や子犬・若犬は非常に人気があります。残念ながら、収容犬の多くを占める中~大型の成犬(いわゆる「野犬」が多い)はあまり人気がありません。それは大きさや年齢だけではなく、性格や行動の要素も大きいと思われます。譲渡の可能性を少しでも高めるため、シェルターで馴化を行うことも行われていて、日本でも岡山市が専用施設による野犬の馴化が試みられています。またアリゾナ州立大学などの研究チームは、シェルター外への一時預かりにより犬のストレスが軽減し、譲渡率が向上したと報告※2しています。

 

※1  https://www.hillspet.com/content/dam/cp-sites/hills/hills-pet/en_us/general/documents/shelter/hills-pet-nutrition-2023-state-of-shelter-adoption-report.pdf

 

※2  https://www.mdpi.com/2076-2615/13/22/3528