返還率アップのヒント(4)速やかな公示

犬や猫をアニマルシェルターに入れない方法のひとつは、迷子のペットを速やかに飼い主に返還することです。ペットの返還に力を入れている自治体の例として、米国フロリダ州ポートセントルーシー市とアーカンソー州カボット市の取り組みを、米国人道協会のレポート(https://humanepro.org/magazine/articles/ask-experts-return-owner-strategies)から見ています。

 

現場で飼い主が特定できなかったら

ペットをシェルター等に入れずに飼い主に返還するため、両市は動物管理員が迷子のペットを保護し、現場でマイクロチップをスキャンしたり、「足で稼いだ」データベースを検索したりして、飼い主の特定を試みます。しかしマイクロチップが挿入されていない、または挿入されていても情報が登録されていない、もしくは独自のデータベースに登録がない場合、速やかに職員間で情報共有し、Web公示を行います。

 

速やかな情報共有

カボット市のCabot Animal Support Services(CASS)では、管理職や事務担当者を含めた職員全員とのグループテキスト※1を設定しています。動物管理員が現場で保護した迷子のペットが上記の理由で飼い主の特定が困難な場合、ペットの情報と写真を送信しグループで共有します。

その後、CASSのスタッフはその動物の写真を市のウェブサイトに掲載し、同時にPetco Love Lost(迷子ペットの全米データベース) にアップロードします。

 

速やかな情報検索

ポートセントルーシー市では、

 

・市のWebページによる公示

・PawBoost.com(迷子ペットの情報検索サイト)※2

・地元のSNSメディア

 

に保護したペットの情報を投稿します。

またそれらのサイトで「ペットが行方不明になった」という投稿を検索します。ポートセントルーシー市のBryan Lloydは「それはほんの1~2分の手間」だといいます。またLloyd は、Facebook ページを 1 週間遡って、説明と一致するものがないか確認することが重要だといいます。その際に、収容されている他のペットの情報が偶然ヒットすることもあります。

 

※1 登録した人にテキストを一斉送信するサービス。米国ではGoogleやAppleのサービスを使っている人が多いようですが、日本ではLINEのグループ機能を使う人が多いようです。

 

※2 私はPawBoostを使ったことがないので正直よくわからないのですが、このサービスはFacebookと連携しているようです。