米国のシェルター統計(6) 動物の結果

米国のShelter Animals Countが運用しているアニマルシェルター統計データベースである、Intake & Outcome Database (IOD)※1の項目の定義から、シェルター等の保護動物の結果について見ていきましょう。

 

LIVE OUTCOMES (「生きた」結果)

 

Adoption(譲渡)

動物を所有権も含め、完全に譲り渡すことをいいます。これには実質的に譲渡とみなされる「納屋猫プログラム(barn cat programs)」※2の猫は含まれますが、シェルター等が里親に預けた動物や、譲渡に向けた「トライアル」中の動物は含まれません。

 

Returned to Owner (RTO)(飼い主への返還)

迷子または飼い主が手放した動物が、飼い主に返還されることをいいます。

 

Transferred out to agency (in state)(州内別機関への転出)

所有権の移転を伴う、州内または地域内の別機関への転出をいいます。

 

Transferred out to agency (out of state) (州外別機関への転出)

所有権の移転を伴う、州外の別機関への転出をいいます。

 

Transferred out to agency (international) (国外別機関への転出)

所有権の移転を伴う、国外の別機関への転出をいいます。

 

Returned to Field (RTF)

シェルター等が受入れた動物のうち、すでに避妊去勢手術済み、または受入れた後に避妊去勢手術された動物で、保護場所に戻された動物を指します。これはしばしばSNRとも呼ばれますが、シェルター等への受入れを伴う点においてTNRとは明確に区別されます。

 

OTHER OUTCOMES(その他の結果)

 

Died in Care(収容中死亡)

シェルターや里親の元で死亡した動物を指します。

 

Lost in Care(収容中不明)

シェルター等から逸走し見つからなかった等、消息不明の動物を指します。

 

Shelter Euthanasia(シェルター判断による安楽殺)

飼い主希望による安楽殺以外のすべての安楽殺を指します。

 

Owner Intended Euthanasia(飼い主希望による安楽殺)

安楽殺サービスのため飼い主によって持ち込まれ、シェルターが受入れたペットに対して実施した安楽殺についてはここに計上します。ただしデータの集計や公開の際には、「社会奉仕活動」としてCommunity Services Database (CSD)に自動移行されます。

 

※1 https://www.shelteranimalscount.org/wp-content/uploads/2022/07/SAC_IntakeandOutcomeDatabase_IOD_070522.pdf

 

※2  barn cat programsとは、家庭動物として不向きで、かつ何らかの理由でリターンできない健康な野良猫について、ネズミ除けなどを目的とした「納屋猫」として譲渡する事業のことです。