米国の動物保護統計(3) フィールドサービス

米国のShelter Animals Countが運用している、社会奉仕活動としての動物保護活動に関するデータベースであるCommunity Services Databaseベータ版(CSD)※であげられている最初の項目はFIELD SERVICES(フィールドサービス)です。 

 

フィールドサービス

現場で実施される動物保護活動で、ここでは「TNR」と「現場における飼い主への返還」があげられています。

 

Trap-Neuter-Return (TNR) 

CSDにおいては、TNRはこう定義されています。

 

Animals not included in intake, already altered or altered after trapping, and returned to capture location. 

(シェルター等への)受入れを伴わず、すでに避妊去勢手術済みであるか、もしくは捕獲後に避妊去勢手術され、捕獲場所に戻された動物。

 

類似した事業にRTF(SNR)がありますが、シェルター等への受入れの有無により、これらは明確に区別されます。TNRとRTFの違いは受入れ(intake)の有無です。猫を最初からリターンする前提で捕獲し、シェルター等への受入れを伴わず、避妊去勢手術を施し捕獲場所に戻す地域活動がTNRで、これはCSDの対象になります。シェルター等が受入れた猫に避妊去勢手術を施し保護場所に戻すシェルター事業がRTFで、こちらはIOD(Intake & Outcome Database)の対象になります。

 

Return-to-Owner in the Field(現場における飼い主への返還) 

迷子の(Stray)ペットは、シェルターや動物管理機関等に収容されたのちに公示され、飼い主が名乗り出るのを待つというのが一般的です。しかしストレスや感染症などのリスクを避けるため、動物は極力シェルター等に入れたくはありません。また現地で飼い主を探して直接返還する方がスピード解決につながりますし、収容や公示などに伴う事務手続きも省略できます。またシェルター等によっては、収容したペットを飼い主に返還する際に返還手数料を徴収するところもあり、その金額によっては返還を妨げることもあります。そのため米国のシェルターや動物管理機関の中には、受入れを伴わないペットの返還に積極的に取り組むところが増えています。中には、外回りの際にマイクロチップリーダーを携帯し、現地でスキャンを行い携帯端末で飼い主情報を検索するといった取り組みを行っている機関もあります。こういった、受入れる前に(prior to intake)ペットを飼い主に返還することを“RTO in the Field”(現場における飼い主への返還)といいます。

 

※ https://www.shelteranimalscount.org/wp-content/uploads/2022/07/SACCommunityServiceDatabase_CSD_R070522.pdf