Barn Cat Program (3) プログラムの概要

家庭動物としての譲渡に向かない野良猫を「納屋猫」として譲渡する“Barn Cat Program”について、Austin Pets Alive!(APA!)のMonica Frendenによる“Starting a Barn Cat Program in your Community”(以下「ハンドブック」)※から見ていますが、「ハンドブック」はいきなり本編に入ってしまうので、プログラムの概要が極めてわかりにくくなっています。ここでは「ハンドブック」の具体的内容に入る前に、Barn Cat Program の概要について簡単に触れておきたいと思います。

 

Barn Cat Program とは

Barn Cat Program とは前述のとおり、譲渡不適の野良猫を家庭動物としてではなく、私有地における放し飼いを前提に、厩舎や倉庫などの「ネズミ除け」のために譲渡するという事業です。ここで注意していただきたいのは、Barn Cat Programは猫の譲渡という形をとっていますが、実質的には強制移住の延長上にあります。そのため、「リターンできないが家庭動物としての譲渡不適」である野良猫の安楽殺を回避するための緊急避難的な事業であるという認識が必要です。子猫や人馴れした野良猫については、家庭動物として譲渡すべきであることは言うまでもありません。

 

Barn Cat Program の流れ

Barn Cat Programの流れは、一般の譲渡と同じです。つまり譲り受け者の募集→マッチング→譲渡契約→引き渡しといった流れをたどります。しかし異なる点がいくつかあります。

 

猫の準備

プログラムの対象となった猫は、避妊去勢手術やワクチン接種、駆虫といった処置を受けます。通常、その際に耳カットも行います。手術回復後の猫は隠れ家(通常、小型の猫用キャリーケースを用います)や餌場、トイレなどを備えた大型クレートやワイヤーケージに入れ、他の動物とは別の場所に保管します。人馴れしない猫にとって収容そのものがストレスとなりますので、できるだけ早く譲渡します。

 

猫の移動

譲渡先が決まれば猫を現場に運びますが、猫をシェルターにおける収容に用いていたクレート等に入れたまま移動することが多いです。クレート等は将来猫の住処になるであろう、雨風がしのげる場所に設置し、少なくとも2週間は猫を外に出さず飼育します。これは猫を新しい環境に順応させ、そこが新しい住処であると認識させるために必要な時間です。

 

猫の解放

猫をクレート等の中で2〜4週間飼育したのち、クレート等の扉を開け、猫を敷地内に解放します。猫はしばらくの間クレート等の中の隠れ家で休みますが、解放後にクレート等の外側で給餌を行うようにすると、猫は自分が気に入った場所で休むようになり、クレート等は不要になります。不要になったクレート等はシェルターに返却され、次のプログラムに使用されます。

 

※https://www.maddiesfund.org/assets/documents/Institute/APA!%20Barn%20Cat%20Handbook.pdf