Barn Cat Program (10) 猫の気質の判断 その2

家庭動物としての譲渡に向かない野良猫を「納屋猫」として譲渡する“Barn Cat Program”について、Austin Pets Alive!(APA!)のMonica Frendenによる“Starting a Barn Cat Program in your Community”(以下「ハンドブック」)※から見ています。

 

Determining a Cat’s Temperament(猫の気質の判断) <続き>

 

Time(時間)

可能であれば数日間の猶予を与え、猫が落ち着いてから判定してください。収容された直後は猫が興奮していて、誤ってFeral catと判定されることがあります。(p8)

 

Wand toy test(猫じゃらしテスト)

ケージにおもちゃの猫じゃらしを差し込み、猫の背中を撫でてみると、ほとんどのFeral catはじっとしていたり、触れるたびにびくっとしたり、逃げようとしたりします。怖がっているだけの人馴れした猫は、気持ちよさそうな、そうでもなさそうな微妙な雰囲気を醸し出し、こっちを向いたり、アイコンタクトをしたり、ニャーと鳴いたり、近づいてきたりします。はっきりしない場合は、1日に何度か繰り返してみます。(p9)

 

Aggressive Behavior(攻撃的な行動)

たとえ人馴れしていても現在の状況に不満を抱いている猫は、収容直後はシャーシャー鳴いたり、唸ったり、暴れたり、攻撃したりするものです。しかし環境に順応するための十分な時間を与えられたにもかかわらず、やみくもに攻撃性を示す猫は「家庭動物としての適性なし」と判断されます。(p9)

 

ベテラン捕獲員に頼る

TNR先進国の米国には、野良猫を捕獲するスキルを持つ人たち(いわゆる「箱罠師」)がいます。ベテランの捕獲人になると、50フィート(15メートル)先からでもFeral catを判別できると「ハンドブック」はいいます。そういった人をシェルターに招き判別をお願いするか、判別の手ほどきを受けるのも一手です。(p9)

 

それでも判定ミスしたら

野良猫を「譲渡不適」であると判定してBarn Cat Programの対象にしてみたものの、シェルターから出たとたんに、または新しい家に着いたとたんに人懐こくなる猫が一定数存在します。まだシェルターにいる時点で人懐こくなった猫は、通常の譲渡に回すことができます(これが望ましい姿ではあります)。「納屋猫」デビュー後に人懐こくなった猫については、飼い主が希望すればそのまま「納屋猫」として飼い続けてもらってもよいです。もし飼い主が人懐こい猫には興味がなく、ワイルドな「納屋猫」をご所望というのであれば、シェルターがその猫を引取り家庭動物として譲渡することも可能です。こういう場合の対処についても、あらかじめ想定しておく必要があります。(p9)

 

※https://www.maddiesfund.org/assets/documents/Institute/APA!%20Barn%20Cat%20Handbook.pdf