Barn Cat Program (11) 「納屋猫」の収容 その1

家庭動物としての譲渡に向かない野良猫を「納屋猫」として譲渡する“Barn Cat Program”について、Austin Pets Alive!(APA!)のMonica Frendenによる“Starting a Barn Cat Program in your Community”(以下「ハンドブック」)※から見ています。

 

Barn Cat Housing(「納屋猫」の収容) 

社会化されていない猫にとって、ケージ内に収容されることは大きなストレスになります。ですので、猫を動物管理機関から速やかに新しい住処に移動することを常に念頭に置く必要があります。猫がBarn Cat Programの対象であると判断されてから、72時間以内に譲渡を完了させるのが理想です。(p13)

 

最初の48時間でやるべきこと

・Spay/Neuter surgery(避妊去勢手術) 

・Vaccination(予防接種)

・Ear tipping(耳カット)

・Any other needed medical services(その他必要な医療サービス)

手術後、猫は回復のために移動用クレートに移されます。回復後速やかに新しい家に猫を送り届けます。(p13)

 

野良猫の一時保管

「納屋猫」候補の猫は避妊去勢手術終了後の回復期間、そして譲渡先が見つかるまでシェルターで一時保管されますが、 他の動物から離れた静かな場所に置く必要があります。猫の保管方法には、譲渡先の仮住まいになるクレート等に入れて保管する方法と、専用の屋外の囲い(いわゆる「キャッテリー」)で放し飼いにする方法がありますが、一長一短があるため、シェルターに合った方法を選択します。もちろんもっと良い方法があればそれでもかまいません。いずれも既成概念にとらわれないことが重要です。(p13)

 

Relocation Crate Method(移送クレート方式)

猫を譲渡先の仮住まいになるクレート等に入れて保管する方法です。犬用の大型クレート、または大型のワイヤーケージ等に“Hidey Box”(小型の猫用キャリーケースなど、猫のねぐら)、トイレ、餌皿などを備え、その中に猫を入れます。譲渡の際にはクレート等ごと運べばよいのでその点では楽ですが、移動の際にはトラックやバンなどの貨物車両が必要です。Barn Cat Programの多くはこの方法を用いています。

 

APA! Method(APA!方式)

野良猫を屋外の専用囲い、または屋内の大型飼育室で放し飼いにします。猫にはそれぞれ専用の“feral cat den”(野良猫用に特化した小型キャリーケース)が割り当てられ、譲渡の際には猫をその中に入れて運びます。猫の観察が容易で、猫のストレスも比較的少ないですが、広大なスペースを必要とします。

 

※https://www.maddiesfund.org/assets/documents/Institute/APA!%20Barn%20Cat%20Handbook.pdf