Barn Cat Program (12) 「納屋猫」の収容 その2

家庭動物としての譲渡に向かない野良猫を「納屋猫」として譲渡する“Barn Cat Program”について、Austin Pets Alive!(APA!)のMonica Frendenによる“Starting a Barn Cat Program in your Community”(以下「ハンドブック」)※から見ています。

 

Relocation Crate Method(移設クレート方式) 

移設クレート方式は、Barn Cat Programでよく用いられる猫の収容方法です。「ハンドブック」にその詳細が記載されていますので、順を追って見ていくことにしましょう。

 

移設クレート方式とは

必要な医療ケアを受けた猫は、隠れ家やトイレなどが装備された移動用大型クレートに入れられ、譲渡までの間そこで過ごし、譲渡の際にはクレートごと運びます。これは猫の取り扱いや移動、そしてストレスを最小限に抑えるためです。(p13)

 

クレートの管理

猫のストレスを最小限に抑えるため、クレートには覆いをかけ、シェルター内の他の動物から離れた静かな場所に置きます。猫の世話は逸走やスタッフの負傷を防ぐため、必ず野良猫の扱いに慣れたスタッフが行います。(p13)

 

Hidey Box

クレートの中には、猫が入るための“Hidey Box”を入れます。Hidey Boxは文字どおり猫の「隠れ家」として機能するだけではなく、清掃や給餌の際に猫にそこに隠れてもらうことで、猫がクレートから飛び出すことを防止します。また何らかの理由で猫をクレートから取り出す必要がある際に、猫に直接触れることなく取り扱うことができます。Hidey Boxとして理想的なのは野良猫の取り扱いに特化した、“Feral Cat Den”と呼ばれる小型キャリーケースです。それよりは使い勝手が悪いですが、一般の猫用小型キャリーケースを用いても良いです。(p13)

 

クレート

Barn Cat Programでは、大きめの犬用クレートを使います。新品を用意しても良いですが、使い古しのもので十分です。大きさが十分であれば、プラスチック製の犬の空輸用クレートでも、“Midwest series”のようなワイヤークレート(譲渡会等でよく用いられる檻型ケージ)でも良いですが、冬季は防風・防寒効果がある空輸用クレートが望ましいです。また空輸用クレートには、プライバシーが守られる、子猫が逃げにくいといった利点があります。どちらにしても、猫2頭を収容できるだけの十分な大きさが必要です。長辺が42インチ(1メートル)以上が理想です。クレートの床には新聞紙や毛布などを敷きます。冬季は藁を敷くと保温効果があります。(p14)

 

※https://www.maddiesfund.org/assets/documents/Institute/APA!%20Barn%20Cat%20Handbook.pdf