家庭動物としての譲渡に向かない野良猫を「納屋猫」として譲渡する“Barn Cat Program”について、Austin Pets Alive!(APA!)のMonica Frendenによる“Starting a Barn Cat Program in your Community”(以下「ハンドブック」)※から見ています。
Talking with Potential Adopters(譲り渡し候補者と話す) (p21)
希望者から連絡があったら
「納屋猫」の譲り受け希望の連絡は、農村部では電話というパターンもあるでしょうが、多くの場合シェルター等のウェブサイトの入力フォームからの申し込みになるのではないかと思われます。「ハンドブック」では、入力フォームからのアクセスを前提に説明されています。
「納屋猫」の譲り受けを希望する人から連絡があった場合、電話で打ち合わせを行い、具体的な日程を詰めていくことになりますが、その際には新しい飼い主が「納屋猫」を適切に飼養できるかどうか(納屋や小屋のような適切な避難所や、毎日の給餌・給水の提供が可能かどうかなど)について確認が必要です。そのため、事前に希望者本人や飼養環境などを詳しく知っておくため、アンケートを実施することがあります。アンケートの様式をわざわざ送付しなくても、申し込みフォームにアンケートの設問に対する答えを入力できるようにしておけば楽です。
事前アンケートの設問
アンケートによって事前に情報を入手しておけば、電話で話すときに押さえておくポイントが明確になります。アンケートに「猫にどのような餌を与える予定ですか」「過去1年間にコヨーテにさらわれた猫は何頭ですか」といった設問を入れることで、猫をどのように飼うつもりか、また飼養環境について知ることができます。また「飼養場所の住所」をアンケートの設問に入れておけば、あらかじめグーグルマップでその場所を確認しておくことができます。そういった情報も会話をスムーズにします。例えば猫を飼養しようとする場所が幹線道路沿いであれば、野良猫の中には住処から半マイル(約800メートル)の距離を毎日歩き回る子もいるということを説明する必要があるかもしれません。
譲渡の可否
猫への適切な避難所の提供や毎日の給餌・給水をはなから拒否するというのでなければ、問い合わせがあった時点で譲渡を拒否するということはめったにありません。
希望者への返信
猫の譲り受け希望の問い合わせがあったら、関心を寄せてくれたことに感謝し、プログラムの詳細について説明した定型文を速やかに希望者に返信することが最善です。そして譲渡を進めていきたい場合は返信するよう伝え、希望者からの返事を待ちます。
※https://www.maddiesfund.org/assets/documents/Institute/APA!%20Barn%20Cat%20Handbook.pdf