「中間者」の猫 (11) 「中間者」を家庭で飼うには

英国の猫保護団体であるInternational Cat Care(ICC)は、人間との生活にストレスを感じているため家庭動物としての譲渡に向かない“inbetweener”(中間者)と呼ばれる猫を特別なプログラムで譲渡することを提唱しています。「中間者」の猫の処遇について、ICCのリーフレット“Identifying solutions for ‘inbetweener’ cats”※から見ています。

 

Looking after an inbetweener that needs to live in the home with a special caregiver(特別な世話人と一緒に家で暮らす必要がある中間者の世話)

「中間者」の猫は「伴侶」としての生活には向きませんが、理解ある飼い主のもとで「同居人」として生活することは可能です。

 

Environment(環境)

「中間者」の猫は新しい環境に定着し、外出の自由が与えられれば、普通の家庭で問題なく生活できます。ただし家には、猫が人間を避けることができる十分な広さと、猫が隠れることができる場所が必要です。

 

Settling in period(定着期間)

「中間者」の猫は、新しい環境への定着期間として、1~3週間はどこかの部屋に閉じ込めておく必要があります。部屋の中には給餌ボウル、給水ボウル、トイレ、ねぐら、隠れ場所などをできるだけ離れた場所に設置します。ただしボウルやトイレの交換の際に猫が逃げ出さないよう、これらはドアの近くに置かないようにします。猫の方から寄ってこない限り、猫のことは無視する必要があります。猫との交流は最低限とし、主導権は常に猫の側に委ねます。猫をひとつの部屋に閉じ込めるとストレス行動を示すことがありますが、多くの場合他の部屋への移動を許可すれば解消します。

 

General care(一般的なケア)

給餌や給水は決まった時刻に1日2回行うか、一定量のドライフードを給餌ボウルに入れておきます。猫が外出するようになっても、トイレは室内に設置する必要があります。猫は無制限に外出できることが理想ですが、ICCはマイクロチップ対応のキャットフラップ(マイクロチップを読み取り、特定の猫だけが出入りできる猫用出入口。日本でも数万円で販売されている)を推奨しています。建物の構造上キャットフラップが取り付けられない場合、または猫がキャットフラップを好まない場合にはドアや窓を開けておくしかありませんが、外出時や夜間の管理に難があります。

 

のらぬこから一言

ICCは「中間者」の猫を外出させることを推奨していますが、たとえ「中間者」であっても、飼い猫を外に出すことにはさまざまな問題があり、積極的に推奨されることではありません。猫の個性にもよりますが、もし猫が家の中の移動だけで満足できるのであれば、無理に外に出すことはないのではないかと個人的には考えています。また庭やベランダに野外檻(キャッテリー)を設置することも検討してもよいかもしれません。

 

※ https://icatcare.org/app/uploads/2020/02/final-inbetweeners-decision-doc.pdf