「中間者」の猫 (12) 最後に

英国の猫保護団体であるInternational Cat Care(ICC)は、人間との生活にストレスを感じているため家庭動物としての譲渡に向かない“inbetweener”(中間者)と呼ばれる猫を特別なプログラムで譲渡することを提唱しています。最後に、猫を「中間者」と判定する際の注意点について、ICCのリーフレット“Identifying solutions for ‘inbetweener’ cats”※から見ていきましょう。

 

「中間者」は学術的分類ではない

“inbetweener”はICCによる呼称であり、学術的に裏付けられた分類ではありません。しかし「中間者」の存在を認識することにはメリットがあるとICCはいいます。

 

The identification of an inbetweener is not an exact science. The benefit of creating the term inbetweener is to acknowledge that not all cats are best suited for the pet lifestyle and that alternatives can and should be considered to meet the specific needs of the individual. For this to work, the general public need to be made aware of inbetweeners – indeed, once explained, many people recognise they have one or have had one in the past! 

「中間者」の特定は、厳密な科学に基づくものではありません。「中間者」という用語を作成する利点は、すべての猫がペットとしての生活に最適であるわけではなく、個体の特定のニーズを満たすために代替手段を考慮できるし、考慮すべきであることを認識できることです。これが機能するためには、一般の人々が「中間者」について認識する必要があります。実際、一度説明されると、多くの人が「中間者」を抱えている、または過去に「中間者」を抱えていたことを認識します。

 

猫を誤って「中間者」と認識してしまったら

米国のBarn Cat Programもそうですが、「納屋猫」として譲渡したとたんに人懐こくなる猫が一定数存在します。誤って「中間者」と判断された猫の対応も「納屋猫」と同様です。

 

Most people are very accepting of a cat’s unexpected friendliness but, occasionally, a cat may be rejected if it has been incorrectly assessed as an inbetweener and turns out to be a loving pet that wants to live indoors. If the caregiver is unwilling to continue with the cat under these circumstances, then the cat can be returned to the homing organisation and homed as a conventional pet, based on this new piece of information about its behaviour, or be enrolled in a home-to-home adoption scheme to avoid the need to return to the homing centre. 

ほとんどの人は猫の予期せぬ人懐こさを喜んで受け入れますが、猫が「中間者」と誤って評価され、屋内での生活を望んでいる愛情深いペットであることが判明した場合、猫が拒否される場合があります。世話人がこのような状況下で猫を飼い続けることを望まない場合、その猫は譲渡団体に戻され、その行動に関する新たな情報に基づき従来のペットとして譲渡されるか、あるいはシェルターへの収容を避けるために、家庭から家庭への譲渡制度に登録されます。

 

※ https://icatcare.org/app/uploads/2020/02/final-inbetweeners-decision-doc.pdf