「法的に正しい」ペットの飼い方(7)  所有明示

動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号、以下「法」とする)で定められている「法的に正しい」動物の飼い方について見ています。

 

所有明示

いわゆる「野良動物」を減らすためには、迷子になったペットを速やかに飼い主に返還することが重要です。そのためには、動物の飼い主がわかるような情報を動物自身に付けておくことが効果的です。このことを、法では「所有明示」と呼んでいます。法第7条第6項にはこう規定されています。

 

6 動物の所有者は、その所有する動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置として環境大臣が定めるものを講ずるように努めなければならない。

 

「環境大臣が定めるもの」については、「動物が自己の所有に係るものであることを明らかにするための措置」(平成18年環境省告示第23号、以下「措置」という)で定められています。

 

家庭動物等及び展示動物の所有明示の方法

家庭動物および展示動物の所有明示の具体的方法については「措置」でこう規定されています。

 

所有者の氏名及び電話番号等の連絡先を記した首輪、名札等又は所有情報を特定できる記号が付されたマイクロチップ、入れ墨、脚環等によること。

 

「入れ墨」は海外ではメジャーですし、鳥類なら「脚環」がよく用いられますが、日本で犬や猫に用いられる識別器具等は「迷子札付き首輪」や「マイクロチップ」ではないでしょうか。

 

識別器具等の併用

迷子札にはだれが見てもわかるというメリットがありますが、脱落のリスクがあります。マイクロチップには脱落のリスクはほとんどありませんが、情報の読み取りには専用の器具が必要です。そのため、これらを併用するとより安心です。「基準」にはこう書かれています。

 

なお、首輪、名札等経時的変化等により脱落し、又は消失するおそれの高い識別器具等を装着し、又は施術する場合にあっては、可能な限り、マイクロチップ、脚環等の非常災害時においても脱落のおそれが低く、より耐久性の高い識別器具等を併用して装着すること。

 

マイクロチップの情報登録

マイクロチップは装着しただけでは役に立ちません。必ず指定登録機関(日本獣医師会)への情報登録が必要です。「措置」ではこう規定されています。

 

法第 39 条の2第2項に基づき、所有する犬又は猫にマイクロチップを装着した者は、法第 39 条の5第1項に基づき、マイクロチップを装着した日から 30 日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)までに、環境大臣(指定登録機関が登録関係事務を行う場合にあっては、指定登録機関。)の登録を受けること。

 

現在マイクロチップの装着が義務付けられているのは販売される犬や猫だけですが、任意で犬や猫にマイクロチップを装着した場合でも、登録は義務であることに注意が必要です。