「法的に正しい」ペットの飼い方(8) 家庭動物等の飼養及び保管に関する基準

動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号、以下「法」とする)で定められている「法的に正しい」動物の飼い方について見ています。

 

家庭動物等の飼養及び保管に関する基準

法第7条第1項でいうところの動物の「適正な」飼養および保管の基準については、環境大臣が別に定めています。例えば家庭動物等については「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号、以下「基準」とする)で定められています。「基準」で定められている内容は次のとおりです。

 

第1 一般原則(終生飼養、野生生物を飼養する際の注意点など)

第2 用語の定義

第3 共通基準

 1 健康及び安全の保持

 2 生活環境の保全

 3 適正な飼養数

 4 繁殖制限

 5 動物の輸送

 6 人と動物の共通感染症に係る知識の習得等

 7 逸走防止等

 8 危害防止

 9 緊急時対策

 10 犬及び猫のマイクロチップ装着等に係る飼い主の責務

第4 犬の飼養及び保管に関する基準

第5 猫の飼養及び保管に関する基準

第6 学校、福祉施設等における飼養及び保管

第7 その他(自然環境保全への配慮)

第8 準用(家庭動物等に該当しない犬又は猫の取り扱い)

 

このうち「4 繁殖制限」「6 人と動物の共通感染症に係る知識の習得等」「7 逸走防止等」については、法第7条の規定の繰り返しになります。それだけ大事ということです。

「家庭動物等」には犬や猫だけではなく、人に飼われている哺乳類、鳥類、爬虫類が含まれるのですが、犬や猫については特出しの基準が定められています。また家庭動物に該当しない(つまり家庭等で飼われていない)犬や猫についても、原則としてこの基準を準用することとされています。

そして「基準」は法第7条第1項の規定に基づき環境大臣が定めたものですから、法の条文と同等の効力をもちます。ただし法の規定と同様、「基準」で定められた事項についてもそのほとんどが罰則がない「努力義務」です(義務事項も一部ありますが、罰則は設けられていません)。以降、この内容について詳しく見ていくことにしましょう。