「法的に正しい」ペットの飼い方(14)  危害防止

動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号、以下「法」とする)および「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号、以下「基準」とする)で定められている「法的に正しい」動物の飼い方について見ています。

 

危害防止

法第25条の2では、猛獣や猛禽など人に危害を加えるおそれがある動物を「特定動物」と定め、その飼養について厳しく規制しています。先般の法改正により、「特定動物」を愛玩目的で飼養することは禁止されましたが、「終生飼養」の観点から、従前から飼養していた人については所定の許可があれば、引き続き飼養できることとされています。また「特定動物」に指定されていないものの、人に危害を加えるおそれがある動物(例えば犬)もいます。「基準」ではこれらを合わせて「人に危害を加えるおそれのある家庭動物等」と呼んでいて、飼い主に対して危害防止対策を取るよう定めています。

 

所有者等は、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和 48 年法律第 105 号。以下「法」という。)第 25 条の2に規定する特定動物その他の大きさ、闘争本能等にかんがみ人に危害を加えるおそれのある動物(以下「人に危害を加えるおそれのある家庭動物等」という。)を飼養及び保管する場合には、次の事項に留意し、逸走の防止等、人身事故の防止に万全を期すこと。

(1) 飼養施設は、動物が逸走できない構造とすること。

(2) 飼養施設は、飼養に当たる者が、危険を伴うことなく作業ができる構造とすること。

(3) 所有者等は、人に危害を加えるおそれのある家庭動物等の逸走時の措置についてあらかじめ対策を講じ、逸走時の事故の防止に努めること。

(4) 所有者等は、飼養施設を常時点検し、必要な補修を行うとともに、施錠の実施状況や飛来物の堆積状況の確認をするなど逸走の防止のための管理に万全を期すこと。

(5) 捕獲等のための機材を常備し、当該機材については常に使用可能な状態で整備しておくこと。

(6) 所有者等は、人に危害を加えるおそれのある家庭動物等が飼養施設から逸走した場合には、速やかに関係機関への通報を行うとともに、近隣の住民に周知し、逸走した動物の捕獲等を行い、家庭動物等による事故の防止のため必要な措置を講じること。

(7) 所有者等は、特定動物の飼養又は保管が困難になった場合における措置として譲渡先又は譲渡先を探すための体制を確保すること。

 

「特定動物」の飼養には厳しい規制があるため、特定動物による人身事故は少ないですが、逸走した犬による咬傷事故はしばしば報道されているところです。特に猟犬や闘犬については「特定動物」並みの管理が求められます。