「法的に正しい」ペットの飼い方(16)  マイクロチップ

動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号、以下「法」とする)および「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準」(平成14年環境省告示第37号、以下「基準」とする)で定められている「法的に正しい」動物の飼い方について見ています。

 

マイクロチップの装着

法第39条の2では、犬または猫のマイクロチップ装着について定められています。「犬猫等販売業者」の場合、取得後30日以内のマイクロチップ装着が義務付けられていますが、その他の一般飼い主等は努力義務とされています。同条第2項ではこう定められています。

 

2 犬猫等販売業者以外の犬又は猫の所有者は、その所有する犬又は猫にマイクロチップを装着するよう努めなければならない。

 

犬及び猫のマイクロチップ装着等に係る飼い主の責務

法の規定に加え、「基準」では犬や猫のマイクロチップの取扱いについて定められています。

 

マイクロチップの登録

すでに家庭で飼われている犬や猫へのマイクロチップの装着は努力義務ですが、マイクロチップを装着した場合、登録は義務であることに注意が必要です。「基準」ではこう定められています。

 

(1) 法第 39 条の2第2項に基づき、所有する犬又は猫にマイクロチップを装着した者は、法第 39 条の5第1項に基づき、当該マイクロチップを装着した日から 30 日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)までに、環境大臣(指定登録機関が登録関係事務を行う場合にあっては、指定登録機関。以下同じ。)の登録を受けること。

 

なお「指定登録機関」として、日本獣医師会が指定されています。

 

譲渡の際の登録変更

譲渡により犬や猫の登録情報が変更となる場合、登録変更が必要です。

 

(2) 法第 39 条の6第1項に基づき、犬猫等販売業者以外の者であって、登録を受けた犬又は猫を当該犬又は猫に係る登録証明書とともに譲り受けたものは、当該犬又は猫を取得した日から 30 日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)までに環境大臣の変更登録を受けること。

 

登録事項の変更

登録事項に変更があった場合は、30日以内に届出が必要です。

 

(3) 法第 39 条の5第8項に基づき、登録を受けた者は、動物の愛護及び管理に関する法律施行規則(平成18 年環境省令第1号。以下「施行規則」という。)第 21 条の7第7項各号に掲げる事項に変更を生じたときは、変更を生じた日から 30 日を経過する日までに、その旨を環境大臣に届け出ること。

 

なお「施行規則第 21 条の7第7項各号に掲げる事項」とは「(飼い主の)氏名及び住所」「電話番号」「犬又は猫の所在地」「電子メールアドレス」「犬又は猫の名」「犬又は猫の毛色」「その他犬又は猫の特徴となるべき事項」「マイクロチップの識別番号」です。

 

マイクロチップ取外しの禁止

装着したマイクロチップは、正当な理由なしに取り外してはなりません。「基準」ではこう規定されています。

 

(4) 法第 39 条の4に基づき、何人も、犬又は猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときを除き、当該犬又は猫に装着されているマイクロチップを取り外してはならないこと。

 

死亡等の届出

犬や猫が死亡した場合、またはマイクロチップが取り外された場合にも、届出が必要です。

 

(5) 法第 39 条の8に基づき、登録を受けた犬又は猫の所有者は、当該犬又は猫が死亡したとき、及び施行規則第 21 条の6の当該犬又は猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがある場合に該当するものとして、獣医師がマイクロチップを取り外したときは、遅滞なく、その旨を環境大臣に届け出ること。