「地域猫活動」について考える(5) 活動のルール作り

環境省の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン(以下「ガイドライン」)」※から、「地域猫活動」について見ています。

 

活動のルール作り

「地域猫活動」は「飼い主のいない猫」を管理していく活動ですから、役割分担や管理方法などのルールを決めておく必要があります。「ガイドライン」にはこう記載されています。

 

 参加者で役割分担、ローテーション、日程を決め、無理なく活動が継続できるよう、体制を作ります。

 代表者を決め、トラブル・問題が発生した場合は対処します。代表者の連絡先などは明確にしておきます。苦情や意見は真摯に受け止め、記録として残しておくと後で役に立ちます。

 地域猫活動を行うことが決まったら、地域猫の世話をする人、自治会及び地域住民が集まり説明会を開きます。(「ガイドライン」17ページ)

 

「地域猫活動」について自治会や地域住民への説明会が開催できればそれに越したことはありませんが、現在では必須とはされていません。しかし少なくとも、関係する住民には挨拶をしておいたほうがよいでしょう。

 

活動のルール

「ガイドライン」には詳しく記述されていませんが、「地域猫活動」を実施するにあたりあらかじめ決めておくべきルールとして、次のようなことがあげられます。

 

避妊去勢手術の実施方法

「地域猫活動」は「飼い主のいない猫」の避妊去勢手術から始まります。捕獲器の調達方法、誰が捕獲するか、手術の実施場所、手術費用の調達方法などは十分に詰めておく必要があります。

 

餌場の管理方法

餌場の管理は「地域猫活動」の肝となります。餌場の設置場所、餌やりの時間(時間を決めておいた方が管理が容易)、餌場の清掃方法などについて決めておきます。

 

トイレの管理方法

猫用トイレの設置場所や、清掃方法などについて決めておきます。

 

広報の方法

「地域猫活動」に対する「理解と認知」を広げていくためには、地域住民への広報活動が欠かせません。誰が、どのような媒体を用いて広報していくかは重要です。

 

捨て猫防止パトロール

「地域猫活動」を実施している地域に、飼い猫を遺棄する不届き者が一定数存在します。そのため特に夜間に地域をパトロールすることが望ましいといえます。

 

苦情対応の方法

地域住民から地域猫に係る苦情が寄せられた場合、誰が対応するか、またどの範囲で情報共有を行うかなどについて定めておく必要があります。

 

※ https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2202.pdf