環境省の「住宅密集地における犬猫の適正飼養ガイドライン(以下「ガイドライン」)」※から、「地域猫活動」について見ています。
エサやり
給餌や餌場の管理は「地域猫活動」の重要な位置を占めます。無秩序な給餌は域外の野良猫や野生生物を引き寄せ地域の生活環境の悪化につながるおそれがありますし、餌場が清潔に保たれていないと地域住民の印象も悪くなり、必要な協力も得にくくなります。特に餌場は猫が集まる場所で地域住民の目に触れやすいので、その点からも適切な管理が重要です。「ガイドライン」にはこう記載されています。
エサやり場は地域住民の迷惑がかからない場所に固定します。
エサは決められた時間に与え、それ以外は与えないようにしましょう。量は猫が食べきれるだけを与え、食べ終わるのを待って容器を回収し、周辺の清掃をしましょう。置きエサは絶対にやめましょう。カラスがきたり、ハエ・ゴキブリなどの害虫発生や悪臭の原因になります。
エサや水は健康維持を考えて十分配慮してください。残飯を与えた場合には、猫のふん尿の悪臭を誘発し、また、猫が人間の食べ物の味を知ることによりゴミなどを漁ってしまう場合もあるので、キャットフードを与えます。(「ガイドライン」17-18ページ)
「地域猫活動」では特定の場所に餌場を設け、給餌は毎日決まった時刻に行います。餌場は常に清潔に保ち、置き餌はしないようにします。米国のTNR推進団体であるAlley Cat Alliesによると、給餌時間は30分を目安にし、30分を過ぎて残っている餌は片づけます。猫の採食の様子をよく観察し、30分で食べ切ることができる量を給餌します。逆に15分以内に食べ切ってしまうようだと、量が足りない可能性があります。
トイレの設置
猫は人目のつかない場所で柔らかい土を掘って排泄し、排泄物に土をかけて埋める習性があります。そして一度排泄場所を決めると、そこで排泄するようになります。柔らかい土や落ち葉などを入れた快適な猫用トイレを設置しそこで排泄するように仕向けると、人間にとって都合の悪い場所で排泄しなくなり、地域住民からの排泄物に起因する苦情が少なくなります。「ガイドライン」にはこう記載されています。
周辺住民の理解が得られる場所にトイレを設置し、そこで排泄させるようにしましょう。排泄場所は常に清潔に保ち、排泄物は速やかに片付けましょう。
定期的にパトロールなどを行い、トイレ以外の場所に排泄してしまっても、すみやかに処理、清掃します。(「ガイドライン」18ページ)
猫はトイレを縄張りの起点にしますので、トイレは管理可能な限り多めに設置することが望ましいといえます。
※ https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/h2202.pdf